表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

21/24

即死魔法≪死≫を使った新しい移動方法を考えたが質問ある?

 とざいとーざい。


 さてさて皆様ご注目。


 今回は即死魔法≪(デス)≫を使った、超お手軽な移動をご提案。


 方法は簡単。


「あらよっと!」


 まずは崖から飛び降りる!


 うーん風が気持ちいい。


「本当に大丈夫なのかしら。」


「…ヤギリはすごいから大丈夫!」


 崖下から観客も沸いております。


 そろそろ地面が近づいてまいりました、さあここで。


「≪(デス)≫!」


 するとあら不思議。


 今ある勢いを殺して落下のダメージが無効に!





「なる予定だったのね。」


「はい…」


「…ヤギリ大丈夫?」


 もう全身がいてえいてえ。


「…腰からいってた。」


「頭じゃなくてよかったよ。ほんと。」


「何が『よかった』よ。こんなバカなことしなければ健康状態だったのよ。」


 あんたは海に入れそうにないわね。


 と、スタスタ行ってしまうフロウ。


「…ヤギリ、いこ?」


「うん。実験は失敗したが、近道にはなったしな。」


 ちなみに女性陣は、フロウの作った水の階段で素早く崖をショートカットしていた。


 …即死魔法だってやればできるもん!




 すこし時間が進んで、目に見えるのは赤みがかった空と海、白い砂浜。


 キャーキャーと波打ち際ではしゃぐ女性陣。


 そして、それを眺める僕。


「目の保養にはなるな。」


 海の近くにできたここは、ザ・バーンとはまた違った街並みである。


 囲われているというよりもむしろ開放的な場所。


 ここは砂浜だから船こそないが、入ってきた時に見てきた港と船とそこに集まる人々は活気があった。


 落ち着いている場所と騒がしい場所の二面性というのだろうか。


 ただそれを不快にも感じさせない、何とも良い雰囲気だ。


 さて、明日からどう動いていこうか。


「お兄さん、何してるんですか?」


「へ?」


 声をかけられて振り向いたところには、一人の女性がいた。


 しかも、美人だ。


 ウィリスはかわいい。フロウは暴力的。


 この二人とは違う、美しいの部類。


「いや、あいつらの監視をしてます。」


「それって、不審者ってこと?」


「…。」


 しまった。


 このままでは、また変態のレッテルを張られてしまうではないか。


「違います違います。保護者みたいなもんです。」


「ああそういう。」


 危ない。この街での評判を落としてなるものか。


「今旅をしていまして、海が見たいっていう仲間がいたのでここまで来たんですよ。」


「なるほど、いい街ですよ『サラミア』は。風は気持ちいいし、お魚は美味しいし。」


 そう語る、この女性の顔はとても嬉しそうだ。


「あと、観光名所に聖女の棺が納められている教会がありますよ。」


 なんと、いいことを聞いた。


 海に入った、はいおしまい。では詰まらないと思っていた所だ。


 ちょうど二人がこちらに向かってきている。


「おーい。あんた何してたのよ。」


「実はこの女性に、サラミアについていろいろ教えてもらってたんだよ。」


「あんた、何言ってんの?」


「だから観光スポットとかをだなあ」


「…ヤギリ違う。そういう事じゃなくて」


 ヤギリは()()()()()()何をしていたの?


 って聞いてるの。


「おい何言ってんだよ。この人…が…」


 いない。


 誰も、いなくなっている。




 日はもう暮れかけている。

 

 海は青から赤に変わっている。


 もうじき夜になるだろう。


 どうやらこの街でも、何かおかしなことが起こりそうだ。

もしよかったら評価とブックマークお願いします!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ