即死魔法≪死≫よりも妖精の方が怖いんだけど質問ある?
唐突だが新しい仲間を紹介しよう。
妖精王からの派遣!水の妖精フロウだ!
「…」
ちなみにすっげえ不機嫌だ。
超怖い。
「…フロウは、私たちと旅するのは嫌?」
「全然嫌じゃないわ。むしろこんな男と二人旅させるよりよっぽどマシよ。」
マシってなんだよ。
てかこんな男って…だから、僕魔王倒してるんですけど。
「ただ、妖精王様があんたの即死魔法を知ってて説明しなかったのも、勝手に私の事決めたのも腹が立つわ。」
でももう決まったことだから。と、あきらめたように言う妖精さん。
なかなか悟ってらっしゃるのね。
「せめてものあれじゃないけれど、次の目的地はフロウの行きたいところにしようと思うんだけど…どうかな。」
「…私もそれがいいと思う。」
「こんな若い子たちに気を使われるのね…はは。」
もうなんか可哀そうになってきた。
「でもそうね。行けるなら…」
「「行けるなら?」」
「海に行きたいわ。」
水の妖精が…海?
とは思ったものの、本人(本精?)の希望であるからあまり気にしないことにした。
地図を見れば…どうやら現在地から東へ向かった所のようである。
現在位置はさっきよりも、もちろん東に進んでいる。
山というよりも崖と呼びたくなるようないい景色だ。
フロウも元気が出てきたようで。
「まあこんなもんね。」
襲ってきた盗賊をぶっ飛ばしていた。
ちなみに周りはびしょびしょだ。
別にこんな世界だからというわけではないが、やはり弱肉強食というかなんというか。
「やっぱり旅には死体が付き物なのかな。」
「いやいやこれじゃあ憑き物よ。…ふふっ。」
自分で言っておいて少し吹き出すフロウ。
やっぱり超怖い。
犯人なのに何が面白いんだこの妖精は。
「…どういうこと?」
「フロウも疲れてるんだよ。そっとしておこう。」
っは!疲れてるだけに憑かれてる。
…やめよう。海に行く前に体を冷やす必要はない。
さて、目的地はそろそろだと思うが。
「…二人とも!あれ見て!」
開けた場所に見えてきたのは、広い海。
空の下に反射してきらきらと輝く大量の海水はなんだか新鮮な感じだ。
これまでこんなに多くの水を見たことがあるだろうか。
いやダメだ、こんな言葉じゃ表せない。
もっといい表現をする方法はどこかに…
「すっごーい!めっっっちゃきれいじゃない!」
人を殺した水の妖精がとてつもなくはしゃぐくらいには美しい。
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