即死魔法に多彩な一本が仲間になったけど質問ある?
村に着き、ウィリスとウィリスの母の感動の再開に僕は立ち会わなかった。
所詮、依頼を受けただけ。
報酬もシビアなお兄ちゃんからいただいているのだ。
即死魔法はクールに去るぜ。
例の商人についても、すでに説明してある。
後は村の問題だし、勝手に帰らせてもらおう。
さて。…これからどうしよう。
旅をするなんて決めているけど、森に来たのに何も見ていない。
…観光したいなあ。
「…この先に湖があるよ。」
「へー。まあ行ってみるかぁ。」
綺麗な風景を見ながら次の予定を立てる…ちょっといいな。
エモーショナルだ。
「…」
「…エモーショナルって?」
「何でこの状況で質問できると思ってんの?」
エモーショナルっていうのは心を動かされるみたいな。
まあそんな感じなんだが…
「ウィリス。」
「…なに?」
「なんでここにいる。」
「…ダメ?」
「いやいやいや…ダメも何も、お母さんとの感動の再開はどうした。」
「…私を助けてくれたヤギリに何かお返しがしたいなって思って。お母さんに話したら『あなたのやりたいことをしなさい』って。だったらわたしはヤギリに付いていきたいなって思ったから…」
「だからついてきた…と。」
コクリと頷くウィリス。
とてつもなく可愛いが、あまりにも突然すぎる。
「でもウィリス。親からの許可は貰ったとして、少しくらい僕に相談してくれても良かったんじゃ。」
「…話したかったけど、もう村にいなかったから。」
かっこつけた代償がこんなところに!
いやまてまて。こんな簡単に一人の少女の人生を狂わせるわけにはいかんだろう。
「ウィリス。やっぱりここで引き返すべき」
「…私がいたらいろんな魔法でサポートできる。その魔法だけじゃ不便。」
…確かに助かる。
「…ダメ?」
「………よろしくお願いします。」
仲間が増えたぞ!やったぁ!
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