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自分のした行為を正当化するように
その人はまるで・・・・・
自分のした行為を必死に正当化しようと
自分にそう言い聞かせているように
僕にはそう見えた・・・。
「殺人は・・・・・
同族の仲間を殺すから犯罪になる
だから たとえそれが人であったとしても
敵である異族を殺すことは犯罪などではない・・・
だからあれは 私のしたあれは あれらの行為は
決して 決して犯罪などではない
寧ろ賞賛されるべきだ・・・。」
「それに・・・・・
それに自分は命令に従っただけで
軍隊なんだから命令に従うのはそれは当り前のことで
だから だから自分は何も 何も悪くなんかない
自分は何も悪くない 悪くない・・・。」って
その人はまるでうわ言のように
『悪くない』を繰り返した。