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BC級戦犯で死刑が宣告された人の中には
「自慢の息子でした・・・・・
子供の頃から勉強が良くできて
大学にもすんなり入って経済を学んでて
将来はこの国の発展のその為に尽力するんだと
そんな夢を語っていました・・・。」
「それが・・・・・
学徒兵として招集されて
その学歴で陸軍幹部候補生なんかに抜擢されて
抜擢されてしまったものですから その所為で
実際には自分では何もしていなくても
日本軍が行った捕虜への残虐行為の
現場責任者として告発されて
そして・・・。」
「うちの子が・・・・・
そんなことを自ら進んでする訳なんてないのに
絶対にそんなことをする筈なんてないのに・・・。」
話し終えてもしばらくの間その人は
悔し涙をハンカチで拭っていた。