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アジュンマの話し II
その日は・・・・・
シトシト雨が降っていて
その店の中に客は僕だけしかいなくて
暇そうに煙草を吹かしていた
アジュンマが・・・。
それまで・・・・・
もう何度も店にかよっていても
韓国語がわからない日本人の僕とは
注文の他は口を利いたことがなかったのに
なのにその日はなぜか突然自分のことを
どこで産まれてどうやって育って
どうして日本にやって来て
そして・・・。
どうやって・・・・・
どうやってこれまで生きてきたのかを
煙草を吹かしながらアジュンマが
カタコトの日本語で僕を相手に
話しだした・・・。