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泣きべそをかきながら
「ただただ・・・・・
ただただ私は毎日毎日
今日のこの日よりも辛い日が
これ以上に辛い日が来ないことを
陽が沈む西の空に向かって祈りました
泣いてはダメとわかっていても
毎日泣きべそをかきながら・・・。」
「親元から離れて・・・・・
知らない村に集団疎開して
村の大人たちからは疎まれて
村の子供たちからは酷い虐めにあって
それでも泣きべそをかきながらも毎日頑張って
やっと戦争が終わって東京に戻って来たら
家は焼けていて そして・・・。」
その方は・・・・・
あの戦争で疎開した当時のことを
泣きべそをかくようなそんな顔をして
僕に話してくれた・・・。