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アジュンマの話し XIII
アジュンマの店の・・・・・
棚の上に置かれたポータブルなテレビに
第二次世界大戦の際に日本軍が行なったとされている
従軍慰安婦に対する非人道的なその扱いに抗議をする為の
韓国国内での反日のニュースが映しだされていた・・・
ここのところ最近よく目にするそんな映像を
黙って見ていたアジュンマが言った・・・。
真実とは決して一つじゃない・・・・・
真実とはそれを目の当たりにした者の見解であって
だからそれを目の当たりにした者の数だけ真実が存在しても当然
だからアタシの知っている真実とは違うんだけれど
あの人たちが涙ながらに訴えていることも
きっと真実なんだよ・・・。
でもねえ・・・・・
あの人たちは誰かに利用されているような
あの人たちは誰かの思惑でやらされているような
なんだかそんな気がしてならないのはアタシだけなのかね・・・
そう言ってアジュンマは煙草を揉み消した。




