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僕に託された戦争体験  作者: kei (^-^)/
30/218

もしこの銀時計が喋れたら

 その方は・・・・・

 真っ白いハンカチに大事に包んで持ってきた

 本体を保護する上蓋が付いたハンターケース型の懐中時計を

「これが これが息子の唯一の形見の品です・・・。」

 そう言って僕に見せた。


「これは・・・・・

 帝国大学の成績優秀者に対して

 天皇陛下からの褒章として卒業式で授与された銀時計なんです・・・

 自慢話しに成りますが この銀時計を授与されたのは

 東京帝国大学でも三百数十人程しかおりません

 故に 周囲からも至高の名誉と見なされ息子は

『銀時計組』と呼ばれておりました・・・。」


「そんな・・・・・

 私の 私の自慢の息子は満州で亡くなりましたが

 どんな最期だったのかはどなたに聞いても何もわかりません

 この銀時計が喋れたら何かわかるのでしょうけれど・・・。」

 そう言って蓋を開けた懐中時計のガラスには

 大きなヒビが入っていた。

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