238/242
子どもにとって焼夷弾の雨は
「まだ・・・・・
あのとき私はまだ
ほんの幼い子どもだったから
だからなにもわからずに
あの空襲の日・・・。」
「火がついたまま・・・・・
地上に降りそそぐ焼夷弾の
その真っ赤な火の雨を目にして
〝きれい はなびみたいですごくきれい〟
逃げながらも夜空を見上げて
そんなことを思ったの
だから・・・。」
「暗くて・・・・・
冬でも蒸し暑くて息苦しい
そんな防空壕に入るのを嫌がって
『まだ まだみていたい』って駄々をこねて
母を困らせたのを今でも覚えてる」と言って
その人は自虐的な笑みを浮かべた・・・。




