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私の後悔は
「縁談の話しが・・・・・
十八になった歳に縁談の話しがありまして
あの当時は親同士の決めたことに逆らう術もなく
私はそのお話に『このご縁有難く戴きます』
そう言って一度も会ったことのない方と
結婚をすることにしました・・・。」
「でも・・・・・
あの方はお優しい方で
『自分は戦地にやがて赴く身
あなたと夫婦の契りを交わすことで
もし自分が死んだ後もあなたを縛ることは
それは それは自分の望むところではありません・・・
生きて戻って来れたら自分と改めて夫婦に成ってください』
そう言ってあの方は戦地に赴きました・・・。」
「私の 私の後悔は・・・・・
『必ず どうか必ず私の元へ必ず戻って来てください』
その言葉を伝えられなかったことです・・・。」
そう言ってその人は涙ぐんだ。