表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/6

ぼっちと通学

見慣れた風景。毎朝目にする光景だ。


通学路―、学校が楽しみとか言う変人にとっては希望に満ちた道だろう。

その一歩一歩が、今日への期待で満ちてるんだ、きっと。


一方、俺みたいな人種にとっては絶望の始まりである。

「あー、今日も失敗するんだろうな」、「怠い」、「眠い」、故にそんな思いを込めた一挙手一投足はめちゃくちゃ重い。


信号が青になるのを確認した(のち)、下を向きながら歩みを進める。

長々とした白黒の連鎖にも飽き、顔を上げる。


すると、目の前に騒がしい集団がいた。会話の内容は部活動やら授業やらの話。

笑顔満点できゃっきゃっきゃっきゃと、うるs......騒がしい。

そう、俗に言う「陽キャ」である。


俺みたいな「陰気なキャラクター」の略、「隠キャ」の対語として編み出された言葉。

主にネットなどで用いられるスラングだが、俺たち隠キャにとっては差別用語でしかない。マジ作ったの誰だよぶっ飛ばすぞ。

まあ、そういうとこを一々気にしてるから陰気なんでしょうね。反省します。

マジ作ったの誰だよぶっ飛ばすぞ。


いつしかネットの呟きで見た「隠キャがいなきゃ陽キャはいねえんだよ!」

なんか必要悪みたいになってるけど、俺たちのおかげで陽キャは成り立っている訳だ。ホントに感謝して欲しいものですね。


いや待てよ...

逆に考えれば陽キャがいなけりゃ、隠キャなんて概念そもそも生まれないんじゃね!!??

なんか腹立ってきた滅びろ陽キャ!



そんなことを1人思い耽(おもいふけ)りながら歩いていると、学校へ着いたようだ。


気怠さと絶望とともに、背丈の何倍もある校門を見上げる。

もうこれが地獄の門に見えてきた。「汝等こゝに入るもの一切の望みを棄てよ」とか記されてそうだもん....。


そんな妄想を嘲笑うが如く、登校時間を終えるチャイムが鳴り響いた。



絶望の音を背に、


あ〜ぁ、まじで学校爆発しねえかなあ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ