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4話 心ドキドキパーティゲーム

驚く系のパーティゲームは苦手です。

その後触手から時間をかけて解放され、店内から奥へ入りリビングへと戻る。


時間はもう遅く、アスティは夕飯の支度へと取り掛かり、リビングには俺とイーリルが取り残される。


「あ、そうだ。 この時間帯は確か……」


そう言ってイーリルはソファの前方にあるテーブルからリモコンのようなものを取り出す。


「ポチッと」


するとテーブルの前にあった水晶の板から可愛い動物の映像が流れ始めた。


「ぉぇえ!? 何!?テレビとかあったの!? 世界観的にないと思ってたんだけど!?」


「? そりゃあるよー。 放送局が魔力を飛ばして、この魔石板がその魔力を受信して映像が流れてるんだよー」



更にはイーリルはポケットから薄いガラスの板の様な物を取り出し、イーリルが指で表面に触れると機械的な画面が現れる。


「……それまさかスマホとか言わない?」


「あれ、知ってるんだ? 異世界から来たって言うのに物知りだねっ! まさか知ってるとは思わなかったなー……。 異世界から来たからこの魔道具に凄く驚いてくれるかと思っのに……」


すまない、もはやそれと瓜二つの物が俺の世界にもあるんだ。


「ほら、貸してあげるよ〜、色々な情報を調べたり遠くの人と会話出来たりゲーム出来たりで便利なんだよー?」


「お、おぉ。 ありがとう」


なんだろう、凄く覚えがある。



そうして俺はイーリルは俺にガラス板を渡し、興味津々でこちらの背後に回り眺める。


「んじゃ、遠慮なく使わせてもらうと……あれ?」


イーリルが表面をタッチしたらすぐに画面が出てきたのに何度もタッチしても画面が現れない。


「どうしたのキサ?」


「いや、いくら触っても画面が反応しないんだよ」


「えっ?なんでだろ? ちょっと貸して〜、ってあれ、私が押したら反応するなぁ」


「まじかよ!貸して貸して!……やっぱりだ、俺がいくら押しても反応しない……」


「ま、まさかキサって……」


イーリルは顔を青くして"ちょっと待ってて"とリビングから去ってしまう。


「なんだってんだ……?」



その後リビングに居るにも関わらずドンガラガッシャンとこちらまで聞こえるほどの物音を立て、イーリルが何かを探すように漁っている光景が目に浮かぶ。


そして数分後"お待たせ"と言ってとある魔道具を持って帰ってきた。


「おぉ、どうしたんだいきなり? その魔道具は?」


「そうそうこれ、キサに試して欲しくてずっと眠っていた所を掘り起こしてみたんだ」


「ちなみにどのくらいお眠りだった品物で?」


「2年は経つね」


恐怖しかない。



「安心して! 今回のは触手が出てきたりとかじゃなくてみんなで盛り上がる様なパーティーグッズとして作ったやつだから!」


そう言ってイーリルはその魔道具を手渡してくる。


「パーティーグッズ? これがか?」


どうやらドーナツ状でフリスビーぐらいの大きさをした機械のようで、意味深な程にボタンが散りばめられている。


「……これあれだろ、どれか一つだけにハズレのボタンがあってそれを押すと電流か何かでビリビリしたりする奴だろ」


「本当にキサは凄いね〜!何でも分かっちゃうんだ! でも電流ではないよ、電流にしたら雷属性の生き物とかだったら効果無いし!」


「君は雷属性の何かとパーティゲームをする展開を想定しているのか?」


人智を超えたイーリルの思考回路をキサには到底理解のできる物ではなかったようだ。



「ま!いいから早速やってみよーよ!」


「何が起こるか不安だし怖くてやれねーよ」


「大丈夫大丈夫! "死にはしないから!"」


「そのセリフが一番怖いんだけど!?」



拒絶していたキサだったがイーリルの必死なお願いに折れ、遂にゲームを始めることに。


「仕方ねぇな……ほら押したぞ、次はお前の番だ」


始めにキサがボタンを押し、次の番としてイーリルに手渡す。


「……? キサが一人でやって欲しいんだけど?」


「ぇぇぇえええ!?!? パーティゲームをっ!?一人で!? 悲しい上に罰ゲーム確定なの俺!?」


「いや、どちらかというとキサに罰ゲームを食らって欲しいんだよね」


「まさか過ぎるS発言ッ! お前の趣味がノーマルな俺には理解出来ないっ!」


「まぁまぁいいからいいから、早く押して押して!」



キサは心を強く保ちながら一人でパーティゲームを続けた。


何故か湧き出る心の虚しさと戦いながら50回目ほどのボタンを押したその時、その魔道具はブーとハズレの音を鳴らして魔力が解き放たれ謎の魔法が発動された。


ーーのだが。


「……えっ?何が起きたの? 多分今のがハズレのボタンだったよな?」


「……やっぱり」


「あれ?おーい、イーリルさーん?」


考え込むイーリルにキサは手をぶんぶんかざす。


するとイーリルはキサの手をガシッと掴み、握手したり、手を繋いだり恋人繋ぎしたりとやたらこねくり回す。


「……何かあったの?」


疑問しかないキサは抵抗はしないがとりあえず意味不明なのでイーリルに尋ねる。


「いやぁ〜、驚かないで聞いて欲しいんだけどさ……さっきのスマホも罰ゲームも自分の魔力があってようやく反応する仕組みなんだよね……」


「……んっ?つまり?」



「……キサはこの世界で唯一魔力を持ってない生物らしいねっ!」



「……はい?」



さて、早速この世界を生き抜く上で重度の問題が発生したようです。



パーティゲームは一人でやる物(威圧)

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