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シエラ

俺はティアラに連れられエルト街という町に来た。

建物はどれも大きく作られており日本よりもヨーロッパに近いものを感じた。



「まだかよ結構歩いたぞ」


「ごめんなさいもう少しだから」


まったく無駄に広いな。



そんな時目の前のパン屋に目が留まった。



「へーパン屋なんかあるのか」



パン屋を眺めていた俺にティアラがきずいた。



「あっおなかすいた?パンでも買ってくるわ」


「え?いやいいよ」



と俺の返事も聞かずパン屋の中に入っていった。



「やれやれ」



確かに腹は減ったが今は錬金術師に早く会いたい。


パンのいい匂いが外まで漏れてくる。


よく見ると中でティアラともう一人ティアラと同じ年くらいの子が会話をしていた。


友達だろうかお店の子みたいだけど何を話してるかよく聞こえないただとても仲がよさそうだった。


20分後ようやく店から出てきた。



「ごめんなさい遅くなって待ったよね?」


「えっいや大丈夫だ」



ほんとは待っててイライラしたがティアラの申し訳なさそうな顔を見ていると自然とそんな言葉が出た。



「えっとパン買ってきたから一緒に食べましょう」


「ああそうだな」



ティアラがパンの入った包み紙を俺に渡してきた。


中にはパンが三つ入っていた。



「ふーん見た目はメロンパンに見えるな」



メロンパンみたいなパンを食べてみた。


結構甘い味がした。



「私このパン大好きなの❤」



そういうとティアラは嬉しそうにパンを食べた。


俺はその横顔を眺めていた。



「かわいい」



小声でそうつぶやいてしまった。



「えっ何か言った?」



「いや何も」



慌てて目をそらした。



「???どうしたの?あまりおいしくなかったかしら」



不安そうな顔でこちらを見つめる。



「うっ」



そんな顔で見つめるなよ。


俺はしょうがなく。



「いやおいしいよ俺もこのパン好きだ」



こう言うしかなかった。



「よかった」



ティアラの顔が途端に笑顔になった単純だなぁ。



「もういいだろそろそろ錬金術師に会いに行くぞ」


「ええそうね」



俺たちはまた歩き出す。


少し歩くとアトリエみたいな建物が見えてきた。



「ここがシエラのアトリエよ」


「ここにいるのか錬金術師が」



エルト街のはずれの方に建てられたアトリエは、入り口からかなり離れたところにあった。



「不便なところに建てたなぁ」


「そうね確かに不便かも」



そう話していると後ろから鋭い視線を感じた。



「わッ」



立っていたのは、不機嫌な顔をした少女だった



「なに?また私の悪口でも言ってたの」



「シエラこんにちは」



じろー。



「うあ」



ものすごい目つきでにらまれた。


そのにらみつけた目は真っ赤で見たものを驚かすくらいの迫力があった。



「ふん、でなんかよう」



「えっとじつわねこの男の子別の世界から来たみたいなの」



「は?」



まぁそういう反応になるよなぁ。



「何それ?からかってるの」



「違うわ!本当よ!」



ティアラが大きな声を出してはっきりと言う。



「そう・・・」



ティアラの言うことを信じたのか小さくうなづく。



「確かにこの時代の服装には見えないわね」


「そうでしょう」


「それになんか匂う」


「匂う何が?」


「別の世界の匂い」



ほんとかよ。



「なんか少し落ち着く匂いだわ」



クンクン。


なんだよこいつめっちゃ匂い嗅いでくる。



ふと目をやるとそこには少し不機嫌そうな顔のティアラがいた。



「もういいでしょでこれからどうすればいいの」


「どうすればいいって?」


「元の世界に帰るの方法よ!何かないのかしら?」


「さぁねよくわからないわ」


「なんだよ頭がいいんじゃなかったのか」


「別によくないわ」


「でも物知りよね」


「どうかしらね」


「いいえ物知りよ!私の知らないこといっぱい知ってるもの」



アトリエの中をのぞくと本が大量につまれていた。


確かに物知りかもしれない。



「この本の中に何かヒントみたいなこととか書かれてないの?」


「書かれてないしそんなこと書かれてる本もないわ」


「じゃどうすればいいの?」


「ん~それじゃあまずどうやってこの世界に来たか話してもらいましょうか」



俺はアリアとか言う変な女について話をした。



「なるほどアリアか…」


「知ってるのか?」


「ええ帝国にいる姫よ」


「なんだって!?」



驚いたことにそいつはお姫様だった。



「アリア、ダークメタルを使いこの世界を支配しようとしてる魔女」


「魔女?錬金術とは違うのか?」


「さぁ詳しくはわからないけどダークメタルと言う石を使って兵士を操っているって聞いてるわ」


「マジかよ」



そりゃスゲーな。



「じゃそのダークメタルって言うのがなければいいのか?」


「いやどうやらメタル鉱石を錬金術でダークメタルに作り替えてるみたい」



「なんだよやっぱ錬金術師じゃん」


「いやダークメタルを作れるのはアリアだけほかの錬金術師はクローンメタルしか作れないの」


「だから魔女って言われてるのよね」



つまり特別ってわけか・・・。



「アリアがダークメタルを使いあんたをこの世界に連れ込んだのね」


「なんだよなんで俺なんだ」


「さぁ遊び相手でも欲しかったんじゃない」



そんな自分勝手な。



「とにかく元の世界に戻りたいならアリアに頼むしかなさそうね」


「マジかよ」



ぜってえ言うこと聞いてくれないだろ。



「さてせっかく来たんだしエンブレムの調整でもするわティアラエンブレムを貸して」


「ええ…」


「あんたはどうする?」


「俺か?まぁアリアってやつに会いに行くかな」


「そうまぁ頑張ってね」



取り合えず会って話をするしかない。



「私も行くわ!」


「ありがとうティアラ」



心強い。



「私もついてあげて行ってもいいけど暇だし」


「いいよ忙しいだろ」


「何遠慮してんのよ」



そんなつもりではないが。



「よし決めた私も行くわアリアには一度ガツンと言ってやりたいことあるし」


「それじゃ三人でいきましょう!」



こうして俺とティアラとシエラの三人でアリアのいる帝国に行くのだった。

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