1話 停止した世界
「早苗、いっしょに帰ろ!」
「…」
「早苗ってば!聞いてんの?」
「ああごめん、香純!聞いてなかった。帰ろ」
「ん?大丈夫?なんかあった?」
「べつに…」
そう、別になにかあったわけではない。ただなにもなかったといえば嘘になる。
最近、なにもかもがいやになる。学校では明らかに周りから避けられてるし、家に帰れば勉強しろと母親がうるさい。私によく接してくれるのは香純しかいない。あーもうみんないなくならないかな。
「ほら、帰るよ」
「ああごめん、すぐ荷物まとめる」
荷物をまとめてると香純が言ってきた。
「あ、この本知ってる!読んだことはないけどね」
「なんかネットで見つけておもしろそうだから借りてきた」
「世界の人口が100人になるんでしょ。そしたら私の部屋も広くなるのにね」
そういえば香純は姉がいるんだった。確か2人でひとつの部屋だったはずだから自分だけの部屋はないのか。
「いや、そこ??もっといろいろあるでしょ!」
「例えば?」
「えーそう言われるとなぁ… あ、生徒少なすぎて学校なくなるんじゃない?サイコー」
「ほんとじゃん!いいねー」
そんなこんな話してたらもう校門まで来てた。
ただ、私たちはここで異変に気付いた。
いつも賑わっている駅前がやたらと静かだ。
よく見ると人々は微動だにしない。
「「え?」」
私たち2人は目を見合わせた。
10秒くらいしてからだろうか、私はひとつの可能性を見出した。
「時が止まった??」
はじめまして、上月です。小説を書くのは初めてで拙いですがよろしくお願いします。これからもお読みいただけたら幸いです。
ちなみに早苗が借りてきた本は「世界がもし100人の村だったら」というものを参考にさせていただきました。
次回から後書きは登場人物の紹介をしようかと思います。




