34.新監督就任
今日のさかつくは、飯後にクラブハウスでミーティングになった。ここまで5連勝と波に乗るチームは、雰囲気も明るい。
夏海の持ってきてくれた『てっぱん』弁当を食べ終わると、全員がテーブルをミーティング用に並べ替えて着席する。
ガチャ
ガヤガヤワイワイしているところに、未来を引き連れてイレさんが入ってきた。
ちわ~。
メンバーが起立し、イレさんに挨拶する。
「まぁ、座れ。」
イレさんがメンバーの着席を待ち、未来を真ん中に押し出した。全員の注目が集まる。
「中村未来、青空高校3年だ。勇気は知ってるな。」
「は、はい。」
勇気が答える。かなり驚いているようだ。
「未来は、今日から選手、兼………さかつくの監督をやってもらう。」
「「「!!!???」」」
全員が度肝を抜かれている。
「こいつの親父は、みんなも知ってる中村章介だ。」
「「「「え~~~!?」」」」
さらに度肝を抜かれる。これには、ヨウも驚いた。これは聞かされていない。
「お前らは、俺のことをよく知ってると思うが………。俺は、親の七光りなんかで、こいつを監督にするってわけじゃねぇ。こいつには監督やる実力があると、俺が判断した。」
「彼に実力があるとして、なぜ、今監督交代なんですか?」
みんなが気になることを、キャプテンの仲地が代表して質問する。
「俺は、監督っても、ただ座ってただけだろ。より強いチームにするためにゃ、必要なことだろ。」
「俺達は、イレさんに惚れてサッカーやってるんです。それがうまくいってるから、今、勝ててると思うんですが。」
仲地が、イレさんの監督交代に不服を申し立てる。
「え~っと、みなさん強いですからね。あ、挨拶が遅くなりました。中村未来です。よろしくお願いします!!」
未来は、とにかく明るく元気よく挨拶する。
「俺も、今日、監督になることを知りました。みなさんと一緒にサッカーやるだけでなく、チームが強くなるお手伝いまでできるなんて嬉しい限りです!」
「中村君、サッカーはどれくらいやれる?」
仲地が問いかける。
「川崎フューチャーズのユースでやってました。一応、次のアンダー18日本代表に召集されてましたが断りました。」
『は?』という空気が流れ、仲地が続ける。
「なんてことしてるんだ。日本代表になれば君のサッカーキャリアに大きくプラスになるんだぞ。」
「いやいや、さかつくで学ぶことはたくさんあります。こう見えても俺、小さい頃から、さかつくを応援してきたんですよ。さかつくは、親父の出身チームですし。」
「「「え!!!???」」」
これも初情報だ。
今日は驚くことが多すぎる。
「え~、それでは………。監督やりますんで、よろしくお願いします。」
*****
6回戦は、ヨウがフル出場した。他にも、今までベンチを温めていた選手がスタメンで出場した。試合はちくはぐ。まさかの敗戦を喫した。
修正するまもなく7回戦。
ヨウはまたフル出場。そして………また負けた。




