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プリンセスセレクション  作者: 笑顔一番
第二章 日輪を支えし歌姫
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二章 プロローグ

 人前に出て緊張する時、どうすればいいですか?


 眼前に広がった人影とサイリウムの海を眺めて考える。

 おまじないをして和らげる……というのは誰でも一度はやってみると思うけど。


 考えつくおまじないの種類は多種に渡り、ポピュラーなものだと手に人を書いて呑み込むとか深呼吸して息を整えるとか、伝え聞くに首を冷やすという方法もあるらしい。


 私は藁にも縋る思いで全て試してみたけれど全くの効果なし。

 人がゴミのように思えるほど手に描いて呑み込んでみても、深呼吸を毎日百セットこなしてみても、知り合いの住職に頼み込んで滝に身を打たれてみてもこの身体を縛る恐怖がほどけることはない。

 目の前のプレッシャーは微塵もゆれることなく私を飲み込んでいく。


(みんな……じゃがいも!)


 神に祈るように、人間を無害なじゃがいもへと変換を試みる。

 畑を埋めるべくゴロゴロと転がっている有象無象。

 ただ一つじゃがいもと違うのはそのじゃがいもには目がついていることだ。

 その双眼が薄暗い空間に浮かびあがり私を見ている。

 嗚呼、なんて光景だろう。

 なんと心震わせる光景だろう?

 なんでなんでなんでなんでこんなに私の心は恐怖に打ち震えているのだろう?


「誰か、助けて……」


 ライトが私を照らしている下で、私は人知れずそう呟いていた。


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