魔法の話
わたしまほうのおべんきょうしたい!と言ったお嬢様が可愛すぎて口から何か出るかと思ったのが今日のハイライト。
とか言ってたらリディア嬢が魔法の才能的にハイスペックすぎた。知ってたつもりだったけどこんなできるとは思わなかった。私のクラスメイト半分くらいこの子より魔法できない。
私は魔力量がどうとか分かる機能付いてないけどゲームの内容と今見せてもらったいろいろから判断するにだいたい中学生並。魔力量は15歳くらいまで身体の成長に伴って増える。今の年齢でこれとかこの子は将来魔王か何かになれるんじゃなかろうか。
ちなみに私の魔力量はミジンコ以下である。両親も兄もローランも少しはあるのに!私は!ミジンコ以下!
「リディア様は精霊魔法は使わないのですか?」
「……せいれいまほう……」
「……知らない?」
「ううん、しってるわ」
ですよねぇ。
ぬいぐるみの下に隠されてたやつ確か初級編|(入門編の次の意)だったし。あれ小3くらいで習う内容なんだけどハイスペックお嬢様流石です。
「わたし、せいれいまほうつかえないの」
「……」
変な声が出た。ふぁん!?みたいな声がでた。まったくお聞き苦しいものをお聞かせしました実に申し訳ない。
精霊魔法が使えない幼女とか始めて聞いた。
さっくり説明するとだ、取り敢えずこの世界には魔法が二種類ある。一つは魔力魔法、世間で魔法と呼ばれたら大体こっち。これは自分の保有する魔力とか属性とかあと主に才能で発動される。
で、もう一つのほうが精霊魔法。こっちは発動するのに魔力やら才能やらは必要ない、けど誰もが使えるわけじゃない。使えるのは殆ど5歳くらいまでの幼子に限られる。15を越えたら使える人数は激減というか絶滅危惧種並。もちろんうちの兄貴は使えない。
「リディア様は信じていらっしゃらないのですか?」
「……みえないもの」
「……」
周囲の人間は何してるんだって話です。おい寝物語とかしないのか。いや別に母親じゃなくてもだよ。それこそメイドさんとか。お姉ちゃんとか。
精霊魔法は所謂『精霊の存在』を信じているうちは使えるがごくわずかでも疑いを感じたりすると一気に使えなくなる。まぁ詳しい事は追々。
「……やっぱり、リディはへん?」
「いやぁもう全然」
涙目上目遣いは危険だとどれほど言ったら……!
もうこの天使のうるうるおめめを見て真っ正面から言ってることを否定できる奴がいたらお目にかかりたい。もれなく私が頬を張る。
「それも個性でしょう」
「こせい」
「人としての味ってやつですわ」
「……イリアのいってることよくわからないわ」
ごめんなさいちょっと難しかったですかね!ごめん私基本的に年増だから!精神年齢が自主規制だから!4歳児の訝しげな視線が!痛い!!
幼女の困り眉が直視できなくて困っていたらドアが叩かれた。扉の向こうから、リディア、とフリージオ侯の声がする。
瞬間輝く幼女の顔をビフォーアフターでお見せしたい。
「おとうさま!」
「やあリディ、いい子にできたかい」
「うん!」
足に抱きついた幼女の頭を撫でるフリージオ侯は愛でるというかあしらうという感じ。いやそこは抱き上げて頬にキスするくらいの心意気をだな。余所様のお宅ですから口には出しませんけど!だけど!
「イリア、そろそろ」
「はい。
………それではリディア様、」
「……イリアかえっちゃうの?」
「ぐっ………」
こ の 展 開 は 。
確実にこれは私の心拍数が跳ね上がる展開じゃないですか知ってますよそれ……!
「……ええ、もう遅いですし……」
「そう………」
ああああ胸が痛いことこの上ない。だから涙目はやめろっていってるだろ!
「またすぐ会えますわ」
「……ほんと?」
「ええ」