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真朱のこと

「ね、心にシールドをするときチラリと見えたんだけど、赤い髪の女の子、知ってるの?」

 烏羽が真剣な眼差して言った。

「あ、真朱ちゃんのことね。うん、近所の女子高校生。今朝もプレゼントをもらって・・・・」


 カバンの中から、ホテルで外したブレスレットを取り出した。

 それを差し出すと、烏羽はテーブルに備えつけてあったナプキンで受け取った。直接、手を触れないようにしているのだった。


「間違いないよ。オレ、見たから」

と、紫黒が烏羽に訴える。

「浄化されてるけど、かすかに痕跡は残ってる。真朱さまのものだ。たぶん、瑠璃の家とお母さんにも守るようにとのまじないがされている」

 二人は、何かを確信するようにお互いの顔を見合わせた。

 また、二人の会話にクエスチョン。瑠璃だけがわからない。


「ねっ私、まだ、訳わかんないままなの。話があるって言ってたけど私にもわかるように説明してよ」

 紫黒が面倒くせえと言わんばかりの表情で見た。烏羽はそんな紫黒の態度を謝るように、申し訳なさそうにしている。


「これ、身に着けておいて。かなり強力な魔除けだよ。それにさっきの彼氏にもらったイヤリングもね。直観がさえるから」

 やはり、魔除けなんだ。

 真朱もそう言っていた。お守りみたいな気休めなのかと思っていたから見直した感じで左手にブレスレット、そしてイヤリングを身につけた。


 それでって思う。

 二人の表情に変化はない。説明してよと心の中で訴える。本当に聞こえていないみたいだった。

 ちょっと試しに、紫黒にむかってバ~カと思ってみた。これで反応がなければ本当にシールドされている。


 しかし、紫黒はピクリとし、顔をしかめた。

「あ、聞こえてるんじゃない」

 少し不満だった。罠にかけられたような感じ。

「いや、聞こえていない。けどさ、オタク、オレに対してよくないことを考えただろう。そういうことは聞こえてなくても伝わるんだ。気を付けろ」

と言われた。口を尖らせる瑠璃。


 烏羽は、紫黒と瑠璃を交互に見て、深いため息をついた。

「いい加減にしろよ。二人とも。話が前に進まない」

「はい」と二人は小さくなって返事をした。


「ごめんなさい」「許してください」「ありがとう」「愛しています」

この四つの言葉は、ハワイの癒しの言葉、ホ・オポノポノです。

自分に降りかかった出来事をこの言葉にそって考えていくと、物事の重要なことがわかってきます。

Peace of I.

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