第9章 6話
奴は去っていった。
林動を連れて。
生け捕りしたまま、どこへと行ったのだろうか。
「よっと。もう大丈夫か?」
「ああ。すまへんな」
どうやら、一定の距離を離れれば効果は切れるようだ。
それが唯一の救いか。
しかし。
このまま放っておく訳にもいかない。
見捨ててしまえば、俺も嫌いな奴らと同じ事をしてしまう。
「わいはここで待っとくわ」
「そうか。その方が助かる」
仕方ない。
またメデューサの力で操られたら同じ事の繰り返し。
俺一人で行かねばならない。
ん?
どうやら。
メデューサが移動した時の後が残ってるようだ。
機械ほどの重さだから当たり前か。
ここを辿っていけばメデューサに会える。
しかし、それでどうする?
俺に勝ち目があるというのか?
唯一ダメージを与えられそうな奴は、今捕まってる。
そうだ。
何も俺が戦う必要はない。
なんとか林動を助けれればそれで良い。
林動がなんとかなれば、あいつがなんとか出来る。
それでいい。
ふぅ。
意を決すると、俺は跡を辿る。
しばらく進むと。
山道へと進む。
すると石像が立ち並ぶ場所に来た。
どうやら。
メデューサの石の力で石化された人々のようだ。
林動の言うとおり。
機械の体になった今でもこの力があるのかは分からないが。
もし、あったらどうする?
林動を助ける以前の問題になってしまう。
目を閉じたままどうやって戦う?
林動の位置も分からないじゃないか。




