第9章 メデューサ
「大変?」
蛇っぽいが、そこまで警戒するような魔物か?
「メデューサってね。その魔力で人を石に変えちゃうのよ。石像に」
石にだって?
まさか!?
「あそこにあった巨像は!」
「そこまでは分からない。普通はあんなに巨大な生き物はいないはずだけど。ここは異世界だから無いとは言い切れない」
となると。
「どう戦えばいいんだ?」
まともな方法では無理だ。
「具体的には、どうなったら石になるんだ?」
「ギリシャ神話では、顔を見た物を石に変えたって言われてるけど」
顔を?
でも、俺達はすでに魔物の顔を見ている。
しかも、あの時至近距離にいたと思われる街の人には何も無かったし。
「これは仮想なんだけど。至近距離で顔を見た者に魔力を与えて、ようやく石になるんじゃないかな」
なるほど。
かなり限定的だな。
「そうじゃないと、かなり強い力だもんね。元に戻すには倒すしかないって話だし」
そういう事か。
そうなると、遠距離で戦えばいいのか?
いや。
そう単純な話で済めばいいが。
「まだ、あのメデューサのスピードも分かってないし」
「しかし、遅そうじゃないか?」
「どうかな。あんまり先入観を持つのは良くないよ。なにせここは異世界だもん。こっちの常識を持ちこんじゃ駄目だよ」
そういう所は柔軟だな。
ゲームでの知識に頼りっぱなしかと思ったが。
確かに、魔物がいるって時点でこっちの世界の常識とは違う。
「そうだ!目をつぶって戦えば?」
「目を閉じたまま戦えるほど、私達って経験あるの?」
それを言われると弱い。
俺の剣技では気配を感じる事も出来るらしいが。
残念ながら、そこまでは習っていない。
くそっ。
真面目に修行してこなかったツケか。
何の役にも立たない。
今こそ思いだすんだ。
師匠が言った言葉を。
言ってたはずじゃないか。
剣技が居合い切りだからこそ。
気配が重要だと!




