第7章 8話
「あと、もう一つ聞きたい事があるんだけど」
こういう何でも聞きたがるのは、どうもお姉ちゃんを見て育ったせいかもしれない。
お姉ちゃんは知らない事があると、素直になんでも聞いたり調べたりしている。
あれだけ知識があるにも関わらず。
そういう所は見習いたいと思っていたけど。
無意識にそうしている自分に気づく。
「なんで”ヤマタノオロチ”なの?」
あまりにも基本的な疑問。
色々余裕が出来てようやく聞ける感じになっちゃったけど。
「だって、この世界を襲うのって悪い人間だったり、神だったりするじゃない?それなのに、日本に伝わる”ヤマタノオロチ”ってなんでだろう?って思って」
普通、こういう場合は手下として出てくるなら違和感は無い。
でもそれがボスなんて。
「そうね。これがドラゴンなら納得するの?」
「うん」
ドラゴンなら、いろんな神話にも出てくるし。
「それが日本で言う”ヤマタノオロチ”って事よ」
え?
「8つの能力を持つドラゴンの姿が”ヤマタノオロチ”として伝えられた。こう捉えたら?」
まさか!?
でも。
確かに、そうなると分かるかも。
日本には竜という概念は無い。
”龍”ならあるんだけど。
似て非なる存在。
竜、いわゆるドラゴンとなってるのと。
龍というのは全然姿が違う。
だからこそ。
伝わる中で姿かたちが変わっていったかも。
こういう事に限らず。
神話というのは、微妙に中身が変わっている事は知られている。
だからこそ。
ドラゴンが龍となる事もありうる。
それがヤマタノオロチ。
「って事はドラゴンと戦うって事か?」
「そうよ?」
あっさりと言った。
「ここまで来たらヤマタノオロチもドラゴンも変わらないよ」
どっちもとんでもない相手である事は間違いない。
私はすでに覚悟は決めている。
どうせ、私は接近しないといけないんだから。




