第3章 8話
「まだ肝心な説明が終わってへんで」
ロボさん?
肝心な説明っていったい何?
「デメリットはなんや。アーティファクトにはあるんやろ?」
デメリット!?
そうだ。
強いアイテムにはそれを制限する事もあったんだったわ。
浮かれていて忘れてしまっていた。
「そうね。それを使うたびにクズハ、あなたの血液を採取されるのよ」
え?
「さ、採取!?」
しかも血液!?
「ほらみぃ。かなりきついデメリットやないか」
「そうね。人間が生きるのに必要な血液が減ってしまうんですものね」
そ、そんな。
それじゃあ、いくら便利な防具だからって。
「それって、一旦防具を出したらずっと減り続けるって事?」
「いえ。出す時に一定量減ります。その後は一定時間出現し続けるのです」
なるほど。
「その一定ってのがやっかいやな。具体的にどれくらいや?」
「残念ですが、そこまでは・・・」
あら。
青龍さんでも分からないなんて。
しかし血液が減るってのはかなり深刻だわ。
ロボさんも言った通り、血液というのは生きるのに必要なもの。
1/3以下になると生命の危機になり、1/2以下になれば緊急の処置をしない限り死ぬ事さえある。
それに加えて女性は月に1度の出血期間もある。
さらに冒険を続ける時に怪我をまったくしないなんてありえない。
実際、これまでいくつか出血はしている。
そう考えると。
これからの冒険は、どうやって血を供給するかの問題が待ち受けてるって事なのね。
だけど血は簡単に供給なんて出来ない。
このファンタジーの舞台じゃあ輸血なんて期待出来るはずもないし。
つまりは、どれだけ血になる食物が取れるか。
それを考えないと。
「最後に一つ」
「なんや?まだあるんかいな?」
もう一つ?
「あなた達が来る少し前にここの修行を終えた男性がいます。彼はあなた達の仲間となるべき人物です。なるべくその人物と合流することをお勧めします」
え?
もう一人仲間が?




