第1章 2話
とりあえず、どこから行こう。
まるっきり目的が分からない。
かつて、ここまで不親切なゲームには出会った事は無い。
もっともこれはゲームでは無く、現実なんだけど。
それでも、過去にやったゲームの知識が生かせるかと言うと。
それは無かった。
どうしよう。
「む?」
え?
ロボさんが、何かに反応した。
「どうしたの?」
何があるんだろう?
周りを見渡しても、特に何も見あたらない。
「近くに建物の反応があるで」
え?
建物?
どこに?
見渡す限り平原。
山や森林は見えるけど。
建物なんて、何処にも見えない。
「こっちや!」
分からないけれど。
とりあえず、ロボさんに着いて行こう。
ちょっと歩くと。
森林の中から神殿のような物が見えてきた。
これは。
ここまで近づかないと分からないような位置にある。
それを、離れた所から分かるなんて。
「へぇー。ロボさんって、かなり凄いんですね」
すでに世界を救っているとは聞いたけど。
こんな能力まで持ってるなんて。
「まあな。わいは戦闘用に作られてるんや。従って離れた所の索敵なんかも出来んとな」
へー。
ロボさんがいてくれて、かなり助かった。
よーし。
私も、何か役に立たないと。
私達はその建物の中へと入る。
次回更新は12月17日(月)予定です。