第11章 2話
そこは。
すでにある程度朽ち果てているお城だった。
なんか想像してたのよりも、惨い状態というか。
私達は中に入る。
「お前たちが救世主か?」
玄武さんから話を聞いてるのかな?
王様が言う。
だが。
どうも目線は私の隣の黒野君の方を見てるみたい。
まぁ、仕方ないか。
「詳しい事情を教えてもらえないでしょうか?ここに来て危機を解決しろとしか聞いてないもので」
詳しい内容はまったく分からない。
はたしてその内容とは?
「そうだな。この城の側に時の神殿がある」
時の神殿?
「そこは2000年前から時間を管理してると言われてる」
えぇ!?
時間を!?
「だが、その時間を管理するはずのドラゴン達が狂ってしまった。このままでは時空すらも狂ってしまう」
まさか。
そんなとんでもない事が!?
これもヤマタノオロチの仕業!?
「現在・過去・未来を護ると言われるドラゴンから時間を支配すると言われる3つの水晶を取り返えさなくてはならない」
ドラゴンが3匹も!?
これは、またとんでもない内容ね。
「われらはなんとか現在の時を司る緑の水晶を取る事には成功した。だが、その犠牲は大きすぎた」
なるほど。
それで、玄武さんに言ったって事なのね。
そこまで大きな出来事だと四神の管理だと思うもの。
そして、それを私達に解決してほしいと。
うん、流れは分かったわ。
「分かったわ!」
「待った!まずは3つを取り返すのも分かるが、狂ったドラゴンを元に戻す方が早いんじゃないか?」
あっ。
そういえば。
戦うよりも、そっちの方がいいかも。
「それは無理だ」
え?
「彼女は今回の事件で記憶を失ってしまった」
彼女?
「この神殿の巫女であるサマルーンなんだが、残念ながらドラゴン達の猛攻により」
となると、まずは水晶を取り返す方が先ね。




