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WORLD  作者: Hashima
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序章


初めまして。


このお話は本当にあったお話です。


その時中学一年生だった私の体験談です。


大嫌いなお父さん、父親の違う弟、心の支えになるお母さんの彼氏。


複雑な家庭でも今を少しずつ歩んでいます。


少しでも私を知っていただけたら嬉しく小説にしました。

2011年6月3日、私と13歳離れた弟が生まれた。


彼は奏太と名付けられた。


でも奏太は………私ともう一人の弟、翔大と父親がへ違うのだ。


つまり、奏太だけは異父姉弟となる。


奏太が生まれる時は色々と大変だった。


お父さんにバレない様に奏太をギリギリまでお腹に身籠り続けた結果、お母さんは陣痛に侵されお産の出来ない病院から唯一引き受けてくれた大学病院へと救急車で運ばれた。


私がたった一人の付き添い人だったため、看護師さん達は私に言った。


「お姉ちゃん、携帯電話持ってる?!急いでお父さんに電話して!」


私は携帯電話を握りしめ思考が止まった。


それは…これから生まれる弟のお父さんに?


…それとも私達のお父さんに?


「早く!」


看護師さんの張り上げた声にはっとした。


私が震える指で電話をしたのは自分のお父さんだった。


お父さんはいつも仕事の時携帯の電源を切る。


発信音が続く中、早く電話に出てほしくて…それでもやっぱり出ないでほしくて…


しばらくの発信音の後、ついにお父さんは出なかった。


しかしこの状況、早くお父さんに知らせないといけない。


もう一度発信ボタンを押す。


またしばらくの発信音の後、お父さんは電話に出た。


「…なんだ」


何から話せばいいの?


私が黙りこくっていると看護師さんに携帯を貸してと言われた。


私は黙って携帯を渡した。


「お電話代わりました、〇〇〇病院の佐藤と申します。奥様とお子様の容体が危険なためこちらに来ていただきたいのですが…」


お父さんの声までは聞こえなかったが混乱しているのは看護婦さんの電話口調ですぐにわかった。


「…とにかく危ない状態ですので早くこちらに…」


看護婦さんは話を一通り終え、通話中のまま私に携帯を渡した。


私は携帯を切った。


しばらくして看護婦さんに言われた一言。


「お姉ちゃん、よく聞いてね?この病院ではお産が出来ないし今お母さん危険な状態なの。だから救急車で大きな病院に向かうから」


混乱した頭を懸命に働かせる。


「だからお父さんに連絡してこの事を伝えて」


私はすぐにお父さんに連絡をした。


お父さんはすぐ電話に出た。


「お母さんが大変なの!今から大学病院に救急車で運ぶって…」


「しっかり説明しろ!」


どこからの説明…?


再び看護婦さんは私の携帯を受け取った。


「お電話変わりました、佐藤です。奥様の容態ですが既に陣痛が始まってしまってて…」


多分お父さんが知りたいのはこの説明じゃないのだろう。


誰の子供なのか?


この真実の説明が欲しいのだろう。


「…ですから奥様が…」


看護婦さんの説明が遠く聞こえる。


目の前で救急車の準備がされている。


知らない内に涙が流れていた。


看護婦さんが、


「大丈夫だからね、お母さんは大丈夫だから」


看護婦さん、お母さんも心配だけどね?


私はそこに泣いてるんじゃない。


私はすぐに涙を拭った。


今は泣いてる場合じゃない。


看護婦さんと救急車に乗り込み猛スピードで大学病院に向かう。


到着するとお母さんはすぐに手術室に運ばれた。


私は待合室でお父さんを待つ。


お父さんが来るのが遅く、看護婦に言われて何度も電話をかけた。


都合の悪い交通渋滞。


お母さんの手術を担当する先生が私に説明を始める。


「お母さんが危ない状態だからすぐに手術を始めたいんだけどお父さんの同意が必要なんだ、付き添いは君だけなの?」


「今…お父さんが…」


時計を気にしながら先生は手術室に向かった。


しばらくして、お父さんから連絡が来た。


「今病院に着いた」


短い電話の中遠くにお父さんと翔大の姿が見え電話を切った。


状況を把握出来てない10歳の弟、翔大が私に手を振ってきた。


「真希~」


心不全の病を抱えるお父さんは苦しそうに歩いて来た。


看護婦さんはすぐお父さんに今の状態を説明した。


そしてまた忙しそうに同意書を取りに行く。


家族だけになると、私はお父さんに呼ばれた。


「知ってたのか?」


「知ってたよ、それにあんなにお腹大きくなったらわかるし」


私はぶっきらぼうに言った。


お父さんは、


「お前たちは軽く考えすぎなんだ!」


と少し声をあらげた。


仕方ないじゃない。


私、お父さんが嫌いなんだもの。











ここまで読んでいただきありがとうございます。


とても短い文章でしたがまだまだ続きます。


次も読んでいただけたら嬉しいです。

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