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殿と下打ち侍
注釈、咎(罰せられる行為)
手打ち(武士が自らの手で他人を切り殺す事)
夕餉(夕食、晩飯)
ことわり(理由)
舌打ち侍「・・・・・・・・・。チッ!」
殿「待て待て~、そのほう家来の身で殿様に、舌打ちをしたなっ!」
舌打ち侍「はっ?思わず舌打ちしたでござる・・・。」
殿「ゆ、許せんっ!そのほう手打ちに致すっ!」
舌打ち侍「殿、また舌打ちでござるか?」
殿「舌打ち?いや、手打ちだが?」
舌打ち侍「殿っ!それがし謀叛の咎は許されたはず?」
殿「たしかに、謀叛の咎は許したが・・・?」
舌打ち侍「殿、それがしの手打ちの、ことわりは、なんでござる?」
殿「・・・。舌打ち」
舌打ち侍「舌打ちが咎になるのでござるか?」
殿「うん、死罪じゃ!」
舌打ち侍「・・・・・・。」
殿様、凄まじい形相で刀を抜き、舌打ち侍を一刀両断。
殿「母上~、夕餉は、まだでござるか~?」
舌打ち侍「む、無念・・・。」