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殿と謀叛侍
注釈、咎(罰せられる行為)
手打ち(武士が自らの手で他人を切り殺す事)
切腹(自身の身を以て家の存続を保とうとする行為)
大儀(手間のかかる面倒なこと)
御意(目上の人に対して、同意・肯定を示す返事の言葉)
夕餉(夕食、晩飯)
殿「そのほう、謀叛の咎により~、舌打ちに致すぞ~っ!」
謀叛侍「し、舌?手打ちでは・・・。と、殿~ どうかお許しを~」
殿「えいえい、侍の分際でありながら舌打ちが、怖いと申すかっ!」
謀叛侍「殿、侍なればこそ、どうか切腹を申しつけてくだされっ!]
殿「謀叛を企てながら、名誉の死を望むのかっ!」
謀叛侍「殿っ、武士の情けでござる、手打ちは、やめてくだされ~!」
殿「手打ち?・・・。だめじゃ、だめじゃ 舌打ちに致す~!」
謀叛侍「と、殿~!」
殿「チッ!」
謀叛侍「はっ?」
殿「だから、チッ!」
謀叛侍「・・・・・・。」
殿「そのほう、大儀であった。下がってよい」
謀叛侍「ぎょ、御意・・・。」
殿「母上~、今日の夕餉は、なんでござるか~?」
謀叛侍「・・・・・・・・・。」