始終
人は
闇より 出でて
闇に帰っていく
初めて 目を開いた時
ぼんやりとした 光しか見えなかった
人は
闇より 出でて
闇に帰っていく
初めて 音を聞いた時
耳を塞ぎたくなるような 騒音だった
人は
闇より 出でて
闇に帰っていく
初めて 匂いを嗅いだ時
鼻をつまみたくなるような 異臭だった
人は
闇より 出でて
闇に帰っていく
自然の摂理には
逆らう事すら 叶わない
闇より出ずる 人間は
闇の 心を 絶えず 持ち続ける
光を求め 闇をさまよい
光を探し 闇でさまよい
人間なんて 所詮 そんなものさ
短い 命の中で
短い 喜びを探し
短い 楽しみを求め
そして 朽ちていく
他者を 傷付け
他者を 蔑み
他者を 蹂躙し
他者を 踏み倒し
他者を 足蹴にしながら
自分の人生を 歩む
闇より 出でた 人間は
結局 闇の 心を 忘れない
寂しい事さ
虚しい事さ
だから 人間は
出来損ないなんだよ
せっかく
言葉という 高文明を
持っているのにさ
人は
闇より 出でて
闇に帰っていく
そう 始まりと 終わりは 皆 一緒なのさ