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第六話 月守の娘

※本作は一次創作です。

※AIは執筆補助として使用しています。


朝。


碧は、いつも通り教室にいた。


窓際の席。


背筋は伸びている。


姿勢も、呼吸も、変わらない。


変わらないはずなのに。


迅は、違和感を覚えていた。


隣に座る碧の気配が、薄い。


霊巡はある。


減っているわけじゃない。


でも。


何かが、削れている。


迅は何気なく言う。


「寝てないのか」


碧は少しだけ瞬きをする。


「え?」


「顔色」


碧は笑った。


「大丈夫だよー」


いつもの声。


いつもの笑顔。


でも。


迅は確信する。


違う。


これは。


無理をしている。


栄養不足のような。


寝不足のような。


もっと根本的な。


——欠損。


5体満足ではない。


そんな感覚。


紗月も気づいている。


何も言わない。


青司は、まだ知らない。


ツムギは、違和感だけを感じていた。



放課後。


本部。


碧はいない。


「月守は、休みだ」


真琴がそれだけ告げた。


訓練が始まる。


空気が違う。


重い。


速い。


容赦がない。


ツムギは避け続ける。


だが。


限界が近い。


「今日厳しすぎません?!」


迅が答える。


「厳しくない」


紗月が続ける。


「いつも甘すぎるだけよ?」


青司が笑う。


「まぁ今日ストッパー居ないからねー」


ツムギは理解する。


碧は、


制御装置だった。


迅が模擬刀を構える。


「ほら早くこれできるようになれ」


ツムギが叫ぶ。


「それは、人外なんですよ!!」


紗月が首を傾げる。


「? 分からないの?」


紗月が迅を見る。


「迅、もう一回やって」


迅は頷く。


「? ほらこうやって……こう」


振る。


ただ、それだけ。


模擬刀が、


木の板を、


音もなく、


綺麗に切断した。


ツムギは固まる。


「やっぱし人外!」


紗月が言う。


「気のせいよ」


迅が続ける。


「ZEROは、人外にならねぇーと」


青司が笑う。


「ガンバ」


ツムギは息を吐く。


「はぁー……碧さんが恋しい……」


ぽつり。


独り言。


その瞬間。


「あ”?」


紗月の視線が刺さる。


迅が一歩近づく。


模擬刀を、


ツムギの首元に当てる。


「最後に一言だけ聞いてやる」


ツムギの背中に汗が流れる。


青司が近づく。


「コラコラ……怖がらせたらダメだろ?」


笑顔。


一番怖い笑顔。


空気が凍る。


そのとき。


——バンッ!!


訓練場の扉が、


勢いよく開いた。


全員が振り向く。


そこに立っていたのは、


碧だった。


だが。


違う。


霊巡が乱れている。


呼吸が浅い。


焦点が合っていない。


正気が、


ない。


「……碧?」


青司が呟く。


碧は答えない。


ただ、


立っている。


体は、


ここにある。


でも、


中身が、


追いついていない。


迅の手から、


模擬刀が落ちた。


紗月の目が見開かれる。


ツムギは、


初めて見る。


月守碧の、


壊れかけた姿を。


そして理解する。


月守碧は、


強いのではない。


強く、


なっちゃったのではないかと


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