第三話
※本作は一次創作です。
※AIは執筆補助として使用しています。
朝の空気は静かだった。
戦闘明けの翌日。
月守碧は、何事もなかったように教室へ入る。
制服の袖は整い、表情も普段通り。
迅は窓際に座り、頬杖をついている。
寝不足のはずだが、顔には出ていない。
紗月はその横顔を一瞬だけ見る。
何も言わない。
「3人ともおはよ〜」
私が挨拶するとそれを皮切りに話し始める
紗月はいつも通りの声で言う。
「明け方まで動いていたから眠くない?」
「普通だよ」
碧は軽く首を傾げる。
そのとき、教室がざわついた。
「今日、防衛隊の候補生来るらしいぞ」
「本部で合同訓練だって」
「ZEROと模擬戦らしい」
その言葉に、四人の空気がわずかに変わる。
碧が目を細める。
迅は黙ったまま。
紗月が小さく呟く。
「……誰が漏らしたの」
青司も眉をひそめる。
合同訓練の詳細は、ZEROと候補生しか知らないはずだった。
違和感が、静かに沈む。
⸻
放課後。
殲滅部隊本部、訓練場。
候補生たちがZEROの訓練場でおしゃべりをする。
その中央に、ツムギがいた。
整った立ち姿。
計算された笑顔。
「月守様ですよね。お噂はかねがね」
丁寧すぎる声音。
碧は一瞬だけ目を細める。
(……なんか気持ち悪いなー)
青司は後ろで小さく
「うわぁ〜気持ち悪い」
と呟く。
迅は視線すら向けない。
紗月は、完全に警戒している目だった。
模擬戦が始まる。
ツムギは碧を値踏みしながら動く。
迅は淡々と受け流し、隙を作らない。
碧は、月守家の形で動いている。
紗月は冷静に間合いを詰める。
青司は安定した防御。
そのとき。
《小規模な悪霊の被害発生。地点、南地区》
館内放送が響いた。
候補生たちの視線が、一瞬だけ宙を泳ぎ、ざわめきが生じる。
その油断を突くかのように、
迅が一本、
紗月が制圧、
青司も決め、
碧も相手の眉間に一本決めていた。
気づけば碧はもう戦闘服に手をかけている。
ツムギが振り向いたときには、
ZEROの四人は出動準備完了。
「行くよ」
そんな短い一言の後
風のように消える。
⸻
霊障は数分で沈んだ。
候補生が到着したときには、すでに処理後。
瓦礫の中に立つ碧。
迅は無言で周囲を確認。
紗月は状況報告を済ませている。
速度が違う。
経験が違う。
格が違う。
⸻
本部へ戻る。
全体が集められた。
「本日の訓練情報が外部に漏れていた」
重い声。
「さらに、放送に気を取られたことによる反応の低さ。自覚を持て」
候補生たちが沈黙する。
ツムギの表情が、ほんの一瞬だけ強張る。
(この設備があれば俺だって出来た)
そう思いつつ今日あったことを、内心で整理する。
(月守は使える。あの速度は……価値がある)
欲望だ。
力。名声。立場。
そのために近づく。
碧は何も知らない。
―
迅は、碧の指先を一度だけ見る。
ほんのわずかに、霊巡が乱れている。
「平気か?」
「うん」
即答。
迅はそれ以上言わない。
胸の奥に、理由のわからない重さだけが残る。
紗月はその視線を見ていた。
そして、静かに思う。
(兄は、言わない)
夜はまだ遠い。
だが、確実に何かが動き始めていた。




