第二話 規格外
※本作は一次創作です。
※AIは執筆補助として使用しています。
本部の訓練場に、警報が鳴り響いた。
甲高い電子音が、空気を切り裂く。
『市街地B区画にて霊災発生。
殲滅部隊ZERO、直ちに出動せよ』
ざわめきが止まる。
青司が舌打ちし、刀を担いだ。
迅は息を吐き、紗月は静かに目を細める。
そして碧は、壁際に置いていたケースへ向かった。
「着替えるよ」
短い言葉。
次の瞬間には、それぞれが戦闘服へと身を包んでいた。
あいは黒を基調とした軽装。
動きやすさを優先した、実戦向きの形。
碧は違う。
白を主体にしたポンチョ型の装束。
裾が長く、霊巡が外に放出されるたびに、大きく揺れる。
「……似合ってるな、月守」
青司が言う。
「別に」
碧は、ただ刀を取った。
「行こう」
⸻
現場は、すでに地獄だった。
砕けたアスファルト。
崩れた壁。
瓦礫にこびりついた、赤黒い跡。
中心には、巨大な悪霊。
能力はない。
ただ、異常なまでの霊巡量。
「はぁっ!」
青司が強化で踏み込み、叩き斬る。
だが浅い。
迅の追撃も、紗月の援護も、決定打にならない。
「削れねぇ……!」
「多すぎる……!」
長引けば、不利になる。
三人の呼吸が、乱れていく。
⸻
数時間後。なかなか祓えないで時間のみが過ぎていった。碧以外体力も消耗されて破られるのも時間の問題であった。
碧は静かに、唱えた。
『百鬼楓滅の書 第一頁 霊糸』
碧の手には、分厚い本が握られている。
表紙が、月光を受けて淡く光る。
開かれる頁。
第一頁。
「……借りるね」
小さく告げる。
霊糸が、解き放たれた。
空間に走る、見えない線。
悪霊の動きが、わずかに鈍る。
その隙。
碧は刀を構える。
霊巡が集まり、空気が震える。
ポンチョが大きく、はためいた。
「月守……まだ余裕かよ」
青司が笑う。
碧は答えない。
ただ、一歩。
⸻
悪霊が、吠え、迫る。
世界が、静かになる。
「――《暁月》」
振り抜かれた一閃。
白い光が、夜を割った。
⸻
そして。
東の空が、白み始める。
悪霊の体が崩れ、霧のように消えた。
静寂。
「……終わった」
紗月が、その場に座り込む。
迅が苦笑する。
「やっぱさ」
青司は、刀を肩に担ぎながら言った。
「月守は、規格外だ」
朝日が、ポンチョを照らす。
碧はただ、本を消して言った。
「帰ろう。報告、あるし」
いつも通りの声。
それが、余計に異質だった。
こうしてZEROの夜は、幕を閉じる。




