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聖域  作者: 早坂知桜
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第9話 布団ルーファス

小さな寝室は、すぐに毛並みとぬくもりで満たされた。

背中を壁につけても、反対側はふわふわの神狼がみっちり。

冬でも薪を焚かなくていい。


「ルーファス……重い」

「ちーちゃん、あったかい?」

「……あったかい、けど重いよ」

「寒いのは辛いからね」


金色の瞳が満足そうに細められ、鼻先がそっと首筋に触れる。

マーシアは笑って、毛に指を埋める。

「やっぱり君、布団だね」


神狼はごろんと尻尾で布を掛けるように巻きつけ、満足げに目を閉じた。

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