3/13
第3話 ハムのせご褒美
魔法の箱を開けたちーちゃんが、ひやっとした風の中からピンク色のかたまりを取り出した。
「今日は特別に、ハムものせてあげるね」
ぼくの耳がぴんっと立った。
しっぽも思わずばさばさ振れる。
チーズ大盛りだけでも満足なのに、その上に薄く切ったハムがのっていく。
焼ける匂いが漂ってきて、鼻先が熱くなる。
「はい、ルーファスの分」
差し出されたピザを前に、もう“わん”って鳴きそうになった。
けど、神狼だから……がまんした。
(……ちーちゃん、ありがとう。ハムは最高だ……でも、ちーちゃんがくれるなら、なんだって最高だよ)