7回目 バンパイアのため息
ガチャチャチャ、ガチャチャチャ。ゴトッ。 パカッ。
バンパイアといえば、満月を背景に塔の先端に立ちマントを翻すというイメージ。
アニメではいまだに見かけるシーンですが、それは西洋人が"日本人"と聞いてサムライ、カブキ、ハラキリを連想する感覚とさして変わらないように思います。
実際のところ、吸血鬼ならだれでも伯爵なんて爵位を持っているはずがありませんし、金持ちでもオシャレでもありません。
私なんて、そもそも西洋人ではないですし、鬼でもありませんし、収入は年金と日々のアルバイトでかろうじて食いつないでいられる程度です。
年金を貰っているからといって、見た目が老けているわけではないですよ。とりあえず、不老にして長寿というのだけはバンパイアらしいですかね。
あと、日の光に当たると灰になって死ぬとかもありえません。
ただ、夜行性の傾向だけは強いようで、深夜のコンビニのバイトは私にはうってつけだったりします。
バンパイアの眼は暗所に適した作りになっている分、昼間の日光を人よりまぶしく感じるので避けがちになります。そういったことが、バンパイアの弱点として捉えられてきたのかもしれませんね。
他にもバンパイアの弱点といえば、銀の銃弾を頭に受ければ死むとか、木の杭を心臓に打ち込まれたらやっぱり死むとかありますが、それはフツーに誰でもそうでしょう。なんでそんなことが通説になってしまったのか、不思議でなりません。
人の血を飲まないと生きてはいけないとか、そういうファンタジックなことはさておいて、先ほども言いましたが、バンパイアは不老不死というのは本当です。
不死というのは大げさですが、事故や意図的に殺害でもされない限り死ぬことはないと思います。
某大学で遺伝子を専門に研究されている教授によれば、バンパイアの遺伝子は"テロメア"の再生がなんちゃらとかいう事がわかったらしいですが、ようするにある年齢に達したら老けないし病気にもなりにくいという事のようでした。
かくいう私も二百歳を超えていますから、いろいろな物や事を見てきたわけです。
時には文豪と呼ばれるような友人たちとも交流を重ねてきたのですよ。夏目君とか、有島君とか、あと川端君なんかも。どうです、すごいでしょう?
そんな中、私も最近になってようやく夢をかなえることができました。
自分の本を作るという夢……。まぁ、アニメの同人誌なんですけどね(笑)
芥川君あたりに言ったら案外大笑いしてくれそうですが、いずれにせよ好きなものは好きなのです。
しかし、こんなに簡単に出版物が作れるようになったなんて、まったくよい時代になったものですね。
私がアニメにハマったのは、『バンパイア女子高生レイリちゃん』からですが、当時夢中になってフィギュアとかも買いましたっけ。
あぁ、これです。今も窓際に飾っているのですが…………改めてよく見たら、紫外線で変色しているではありませんかっ!!
やはりバンパイアに、日の光は大敵だったようです。
おわり
※私は漠然と、バンパイアの牙はストローのようになっていて、それで血をチュウチュウと吸うもんだと思っていたんですが……。冷静に考えたら、んな訳ないですよね。 ね。