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61回目 名前

ガチャチャチャ、ガチャチャチャ。ゴトッ。  パカッ。

 私の名前を教えて下さい。私の本当の名前をです。


 産まれた時に、誰かに付けられた名前ではありません。


 そうではなく、私はそれより前から名前があったような気がするのです。


 あるいは、さらにずっとずっと、ずっとまえから。


 それが私の、本当の独自性を示していると思えてならないのですが。



「君は私だ」


「あなたは誰ですか」


「私は神だ」


「私はあなたの一部ということでしょうか」


「君は私の一部であり、私もまた君の一部なのだ」


「私は人ではないのですか」


「神の一部が実体を持ったものが人なのだ」


「そうだったのですか」


「神に名前はないが、人として実体を持った時に名前が付けられるのだ」


「神に名前はないのですか。つまり、私にも、元々名前はなかったと」


「そうだ」


「神とはどのようなものなのでしょうか」


「あって、あり続けるもの」


「あって、あり続けるもの……」


「α(アルファ)でありω(オメガ)、AでありZ」


「つまり『始まり』であり『終わり』でもあると……」


「その通り。『い』であり『す』だ」


「『い』であり『す』?」


「そうだ」


「?」


「いろはにほへと……ゑひもせす」



おわり

※私の名前は、井出アリス。

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