26回目 残り二分
ガチャチャチャ、ガチャチャチャ。ゴトッ。 パカッ。
人の世において、日々の技術革新によって生活が大きく様変わりしています。
それは宇宙においてもまた然り。
EMU78星雲にあると言われるウルトラな星においても、大変な技術革新あったのです。
例えば、身長を三分間だけ、従来の三倍も大きくする技術が開発されたということでした。
そしてその技術は即時実戦に投入され……。
「怪獣だぁ!」
「助けてくれ」
「あっ!ウルトラナントカだ」
「来てくれたんだ」
「でも、いつもよりデカイぞ」
「怪獣が、まるで子犬のようだ」
「つまんで丸めて、宇宙目がけて蹴り上げたー」
「放物線を描いとらん」
「すごいぞ、ウルトラナントカ」
「さすがだ、ウルトラナントカ」
やんや、やんやと、今までになかった手際の良さに、拍手が鳴り止みません。
ウルトラナントカは照れているようにも見受けられます。
「でも、まだあと二分あるぞ」
「どうするつもりだ?」
いつもは怪獣を退治したら、すぐに帰って行かなければならないウルトラナントカ。
余った時間をどうやら持て余しているようです。
「やばい、ウルトラナントカが、調子に乗って踊りだした」
「うわぁ、地震が!」
「震源が地表だから、緊急地震速報もないぞ」
「しかも、揺れ方が従来の三倍以上だ」
おわり
※残業は嫌ですが、たまに定時退社だと時間を持て余したりしませんか?




