22回目 闇に巣くう者たち
ガチャチャチャ、ガチャチャチャ。ゴトッ。 パカッ。
「光あれ!」
創造主は闇しか無かった宇宙に光を生み出し、世界を昼と夜とに分けたました。
次に海と大地を創り、あらゆる生物を誕生させ、そして最後に人間を創られて、自らはお休みになったのでした。
その後です。人間は、何を勘違いしたのか、創造主に成り代わって昼の世を収めようとしたのでした。
闇の者を嫌い、遠ざけて、光こそが正義であると主張して。
幼稚な知恵で世界を傷つけ、その結果自らも傷つけて、なお間違いを認めようとはしないのでした。
しかし、ここで気付いて欲しいのです。
そもそもこの世界には闇しかなかったことに。
そして闇に生きる者こそが、本来この世界を統べる者であり、創造主さえもが、そもそも闇によって産み出されたのだということに。
では、その闇はどうやって創られたとのかと、あなたは問いたくなるでしょう。
しかし闇は闇。
闇の前には闇しか無く、闇の後にも闇しか無いのです。
闇はこの世のすべてなのですから。
では、光はどこからどのようにしてもたらされたのでしょうか?
それは闇から。
光は闇から得たエネルギーによるものなのに、人間はまるで異質のもののように捉えているのです。
光こそが最も素晴らしく、偉いものであるかのように。
そうして人間は、自分たちを、闇に巣くう者たちとは違うと考え、闇の者を見下したのです。
この世の理を知らない若人が、年配者を意見に耳を貸さないが如くに。
闇こそが全ての起源。本当に美しく、魅力的で創造にあふれた世界であるのに、人間はまだそのことを知らない、いえ、知ろうともしません。
あなたもそうですか。知りたくはないのですか?
私の言うことなど疑っても構いません、
ですがその程度の知識では、理解力では、闇の素晴らしさを否定することなどできっこないのですよ。
よろしければ、いらっしゃいませんか?
私と。闇の世界へ。
おわり
※いえ、そんな理解力はないものですから、ご遠慮……




