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008

しばらくすると、3人が揃った。

3人が揃い、お茶の用意だけ整うと、いつも人払いがされる。

仕事も含めだが、幼馴染ということもあるし、陛下を守る人もいる。

ということで、部屋周辺で護衛をしてる人はいるものの外部とは遮断される。

幼馴染として3人で過ごすような息抜きも必要だったのだ。


「なに・・・俺も話に入っていいわけ?」

宰相と呼ばれる男が、少し拗ねたように話を切り出した。

実際には、怒っているわけでも拗ねているわけでもないのだが(苦笑)

でも、ほんの少し仲間外れにされた気持ちになったのだ。


「すまん。別に仲間外れにしようとは・・・・」

今日は、本当に弱気な陛下だ。


宰相は、特に気にした様子はない。

彼の気持ちは分かっているようだ。

「(笑)分かっている。少し意地悪しただけだ。頼まれたことも関係あるのだろう?内容を聞いて、ただ事じゃないなっていうのは分かったし、いつかはちゃんと話してくれると。」


「二人には、それぞれすべての情報は共有していなかった。だから、これから説明する。」


どれぐらい経っただろうか・・・・気がつけば、日が暮れていた。

「・・・以上だ。」


聞いた二人は、しばらく何も言えなかった。

想像していた以上に、複雑な話の様だ。


「俺と妃の依り代には会ったことあると思うんだ。その時は、彼女はいなかった。それは、国が違うからな。俺達の依り代は、自分の意志で来たい時に来るから。まぁ彼女が来ていたこともあるが、誰にも会わないようにしていた。俺がたまにいなかったのはそれが理由(苦笑)」


「なるほど。なんで、そんなことになったんだろうな。」


「誰にも分からないんじゃないかな。依り代になれなかったのは二人。彼女はそのうちの一人。あっちからそういう話にならない限りは聞かないで欲しい。聞いて欲しい時は、前触れなく話始めると思うが。」


「それってさ、結構思いが溜まりすぎてないか?」

と、宰相。


「そう思う。だけど、俺達は聞くことしか出来ない。うかつにどうにかしてやるって言えない。期待して裏切られる確率の方が高くなるからな。ひたすら聞き役になるしかない。」


「なるほど。」


「俺は、彼女を甘やかしてると思うか?」


しばし沈黙が続いたが

「甘やかしてるという表現は違うと思う。さっき会ってみたけど」

リュイは、さっき陛下に伝えたことをもう一度話した。


「これといった理由はないけど、守ってあげたくなる感じだな。」


「なんで、そこまでしてやりたくなるんだ?そんなに魅力的なのか?」


「それは・・・・会ってみればわかるよ。」


「明日行くけど、一緒に行くか?」

とリュイ。


「俺も行っていいのか?でも、3人で行ったら・・・・」


「その時だけは、俺の影を置いていく。だから、大丈夫だ。半日だけ。明日行ったら、しばらくは会えないと伝える。基本的に、俺は会わないようにしようと思ってるから。」


「そうなんだ。彼女は、お前に会った方が安心するんじゃねぇの?」


「(苦笑)そうだな。でも、ここでのしきたりもある程度は守ってもらわないといけない。多分、それは言わなくても分かってると思うけどな。それに、ここから俺がいなくなるとまずいだろ。」


「お前と彼女がそれでいいなら俺は何も言わないが、俺もそうそう動けないしな。」


「ところで、何を頼んでたんだ?先に教えてくれよ。」


「俺はいいけど・・・」

陛下の方を見ると、うなづいた。

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