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007

二人とどれぐらい話していただろうか・・・・そんなに長くもなく短くもなく程々の時間になり、おいとますることにした。

収穫があるようなないような・・・・・たった数時間でわかるわけもないのだけど。


城に戻り、そのままあるところへ向かっていた。

今の時間は・・・・報告すべきか否か、悩みながら歩いていると

「おかえり。伝言。待っているってさ」


声をかけられた方を見ると、宰相だった。

「ただいま。今、行っても大丈夫か?他に誰かいる?」


「今は誰もいない。行って来いよ。終わったら、知らせろ。」

そういうと、そのまま行ってしまった。


そう・・・俺には託されたが、宰相はまだこの件については何も聞かされてはいない(と思う)のだ。

それでも、何かを感じ取っているのか何も聞かれずにいるのだ。

俺としては、巻き込んでやろうとたくらんでいるのだが…どうやって巻き込もうかと思案中だ。


部屋の前に着き、ノックをすると入れと声がした。

「ただいま戻りました。」


「うむ。色々悪いな・・・・。」


「いえ・・・・。」


陛下と騎士であっても仕事ではないので、ここからはただの幼馴染として話が進められる。

そして、空気が変わった。

「どうだった?初めて会った感じは。」


「まぁ・・・予告なしで行ったから、びっくりはしてたね(苦笑)それから・・・」

俺は、さっき会った出来事をすべて話した。


「お前をなんて呼んでるか聞きたかったんだけどさ、教えてくれなかったよ(苦笑)いつか聞き出してやろうと思ってるけど。」


「(苦笑)まぁ、きっと驚くだろうな。こっちでは絶対呼ばれることはないし。」


「不敬になるから呼びたくないって。あ、そうだ・・・・彼女から頼まれたんだけど。」


「ん?」


「お前の名前書いて見せたんだけど、読めなかったらしい。教えて欲しいって。んで、教えてもらう人の条件が・・・・」


「何?」


ちょっと俺が言いあぐねると

「俺の付き合ってる人いるか、結婚してるならその人にして欲しいって。」


「なんで?」


「一緒に来て、最初に誤解されないように話したいんだって。俺の為にそんな気遣ってくれるなんてな。会ったばかりなのに。あいにく俺には、まだそういう相手はいないんだが(苦笑)それは明日ちゃんと言おうと思う。」


「なるほど。」


「なんかさ・・・見てて辛くなるぐらい色々と危ういんだけど、どうすればいい??」

俺は、思ったこと全部話した。


「まぁ、緊張もあると思うけど・・・・それだけじゃない・・・だろうな。」


「その理由は?」


「思い当たることはあるけど…確信はない。」

それが正解かどうかも分からないようで、言わなかった。


「俺は、彼女と対等に付き合うことにした。本来ならば、格上になるんじゃないの?お前と対等に話すんだし。」


「こちら側の考えていくとそうなるけど、世界観が全く違うしな。でもな。こちらの位でいくと、平民にあたるんだ。依り代と呼ばれる人たちも含めて、本当に普通の人。ここ界隈にいる貴族でもない。だから彼女が困ったりしない程度なら、付き合い方は何も言わない。関わった誰も不敬にもしない。」


「分かった。でも平民は言い過ぎじゃね?話ながら、適応能力高いなぁって思ったんだけど。」


「まぁ、少数人数ならな。緊張もそれほど大きくはないのかもしれないな。」


「それとさ。俺・・・・あいつも巻き込みたいんだけど、どう思ってるの?関わらせる気はある?ない?」


誰かは分かっているのか

「ふむ・・・まぁ、全く関わらせないとは思ってない。タイミングかな。何故?」


「あいつにどこまで話してる?俺には何も言わないけど、多少は知ってそうな感じだった。」

さっきすれ違った時に思ったことを伝えた。


「あぁ、個人的なお願いをしている。いずれ会わせる予定だ。もう少し慣れてきた頃にと・・・」


俺は、まだ続きがあるであろう言葉をさえぎった。

「それは、優しさなの?俺達の都合なの?」


「えっ?」


「意外に肝は座ってる。騎士である俺を見ても、全く怖がらなかった。きっと、彼女の世界に俺みたいな感じの人がいないだろうに。きっと不安なのは、こちらでのことをすべて覚えられていらないから。それが一番なんじゃない?」


「・・・・」

何故か俺は、力説してしまったが(苦笑)図星なのか何も答えが返ってこなかった。


「彼女の不安は、出来るだけ先に取っ払えばいいんじゃない?それだけでもだいぶん違うと思うぞ?」


「そうだな・・・・でも、俺にはそれが出来ない。」

何故・・・・そう聞いてみたかったが、彼にもいろいろ思いはあるのだろう。


「じゃぁ、俺がやる。いいか?」


「頼む」

陛下はそれだけ言い頭を下げた。

どうして、そこまでするのか・・・・分からなかった。

陛下ともあろう人が、頭を下げるなんて。


「明日から、しばらく毎日行くことにした。こっちの仕事もちゃんとする。午前か午後のどちらか。固定にすると周りの目もあるから、そこはランダムで。どうする?一度会う?こっちには呼ばないんだろ?」


「会う予定はしてるよ。お忍びだけど。」


「了解。今は忙しくないのか?」


「半日ぐらいなら。あいつに聞いてみないと分からないけど。」

忙しくないわけはない。

だから、どこで時間が取れるかだ。


「・・・呼ぶけどいいか?」

陛下に了解を取ると、すぐに呼ぶように通りかかった警らしていた騎士に伝えた。

GW中のお供になれば嬉しいです。


他の作品も、アップする予定です。

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