005
「あらためて。初めまして。さっきも言った通り、俺はこの国の騎士。陛下付のね。」
『へい・・・か?』
見た感じ、ただの騎士だとは思わなかったがまさか・・・・・
動きが止まった。
「驚かせてごめんね。俺は、陛下と幼馴染なの。あいつが、あなたと接触しすぎるのは良くないから…俺に託されたんだ。」
俺も、彼女がどういう人なのかまだ分からない・・・・でも、最初にきちんと話しておかなければいけないと思い、話したのだが・・・・彼女は、最初に俺が陛下付と知ってから微動だにしなくなった。
「・・・・まずかった?」
彼女の隣にいる彼に聞いてみると
「かもね。でも、最初に本当のことは伝えた方がいいと思う。だから、俺は間違ってないと思う。ちゃんと彼女のフォローはする。大丈夫。」
と、少し小声で答えてくれた。
「ありがとう。」
『あの・・・・』
「ん?」
彼女は、我に返ったのか・・・・俺の目を見て話しかけてきた。
『私達・・・・、私のことどう聞いてるんですか?』
「(苦笑)まずは、あなたのお名前を聞いても?」
『あ・・・ごめんなさい。えっと・・・・』
「あなたが答えられることだけでいいですよ^^」
俺達の世界とは全く違うということは聞いている。
だから、出来るだけ怖がらないように話しかける。
「俺は、くーさん。とか、くーちゃん。とかって呼んでるよ。」
「じゃぁ、俺もそう呼んでいい?」
『あ、はい・・・・本当の名前は別にあるんですけど。みんなからはそう呼ばれてるので^^』
少しずつ緊張が解けて来たのか、笑顔も見えてきた。
「愛称みたいな感じ?じゃぁ、くーちゃん。あらためてよろしくね。多分、俺とそんなに年は変わらないから、もっと砕けて話してくれていい。」
特に深く突っ込んでは聞かれなかった。
『でも・・・・』
「嫌な言い方になるけど、あなたはこの国(世界)の人でもないしね。(陛下の知り合いだし)逆に俺達は敬った方がいいのではないかと思うよ(苦笑)でも、それはかしこまりすぎて嫌だろう?」
『そう・・・ですね』
「だから、彼と話すように俺にもそう接してくれたらいいさ。」
隣に座ってるかっちゃんを見た。
『かっちゃん・・・・いいのかな?』
「大丈夫でしょ。今のところ、彼以外と接することはないしね。」
そういうと、安心したようだ。
『じゃぁ、これからよろしくね^^』
「あぁ。俺も、かっちゃんって呼ぼうかな」
「やめてくれよ。いつも呼び捨てじゃん。」
「くくくっ。残念。」
『えっと・・・・名前はなんていうの?』
「あ・・・俺としたことが。聞いておいて、俺の名前言ってなかったっけ」
「ったく、一番最初に名乗るもんだろ・・・・何やってんだよ」
と、呆れ顔だ。
「うるさいっ。えっと、俺の名前はリュイ」
『リュ・・・イ?』
「うん。リュイ。さんとかもいらない。呼び捨てでいいよ」
『・・・・分かった^^ リュイ君って呼ぼうっと』
「そういえば・・・陛下のことはなんて呼んでんの?」
『秘密(苦笑)』
「なんで?(笑)」
『だって、フルネーム憶えてないもん(´・ω・`)それに、うかつに呼んだら、不敬になりそうだし・・・』
「俺の前じゃならないよ。大丈夫。」
『ほんとに?』
「本人の前でもそう呼んでるんでしょ?」
『呼んでるけど、こっちでは呼んだことないよ。・・・・多分だけど。』
「そうなの?」
『覚えてないの・・・』
と、声が小さい。
「ふむ・・・・分かった。多分会うこともあるだろうけど、その時はどうする?」
『ここにいない人もいるよね?』
「状況によるかな。向こうに行くなら人がたくさんいるけど・・・」
『分かった。えっと・・・一応、フルネーム教えてください。ちゃんと覚える。』
「了解。こっちの文字は読める?」
『どうだろう・・・本当は、言語も違うと思うんだけど・・・会話は問題ないの。文字は、ちゃんと見たことがないから分からない。かっちゃんは読める?』
「文字は読めない。」
と首を振る。
『そうなんだ・・・じゃぁ、読めないかもしれない。』
すると、リュイがさらさらと何か書いている。
「はい。これが陛下の名前。読める?」
『・・・・読めない。どうしよ。』
「教えてもらったらどう?」
『リュイ君に?仕事あるし悪いよ・・・・でも、誰かに教えてもらわないと無理だね。独学では無理』
「俺でもいいけど、教えるほど頭は良くない(苦笑)」
『そんなことないでしょう・・・・』
「そうだなぁ・・・・誰か呼ぼう。」
『じゃぁ、条件言ってもいい?リュイ君ってさ・・・』
意外と物語は進んでいきそうです。
さて、どのような展開になっていくのでしょうか、私にもわからなくなってきました。
楽しみに待っていただけると嬉しいです。
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