011
『えっ?・・・・・・あっ。』
無意識に、名前を呼んでしまったらしい(苦笑)
「あぁ、ずっと名前呼ぶの我慢してたのに、ここで言っちゃったな。」
と、かつやは笑っていた。
さすがに、呼び方はまずいと思ったのか、口をふさいでいた。
まぁ、すでに遅いんだけど(笑)
「大丈夫。ここでは不敬にはならない。そう言ったろ?」
『でも・・・・』
二人を見ると、まだ固まっていたようだ。
「(笑)まぁ、驚くわな。でも、そのまま呼んでくれて構わない。かつやもな。」
「さんきゅー」
「びっくりした・・・・。でも、気になってたから聞けて良かった」
と、リュイ。
「びっくりした。でも、あんまり違和感ないな(笑)なんでだろ?」
ライルは素直な感想の様だ。
二人とも不敬だと怒っている様子はない。
「多分、王様になったら呼べない雰囲気っすよ。今の格好だから、違和感がないんじゃないかと。」
かつやは、フォローする。
「なるほど。あぁ、俺のことはなんて呼んでもらっても構わないよ。リュイと同じ感じで構わない。」
彼女はしばらく考えていたようで
『じゃぁ、ライル君かライ君。』
「最初の方で^^」
『はい^^』
しばらく、雑談していたが
「そろそろ戻りましょう」
と、ライルが声をかけた。
「あぁ」
『あ、今日は来てくれてありがとう^^』
「どういたしまして。俺は来れないけど、リュイはここの護衛も兼ねてるから、何かあれば彼に言うといい。さっきの書類は、書けたら彼経由で渡す。」
『はい^^』
身なりはお忍び風だが、言動は王様のそれだった。
やはり威厳があるのだなぁと・・・・内心思う。
ここにはやはり来るべきではなかったのか・・・・と、頭をよぎる。
「・・・」
陛下は、何も言わないが・・・・彼女の思ってることは分かっているのか、笑っていた。
「ではな。」
そう言うと、3人は出て行った。
二人が先に出ていくと、リュイも続いて出ていく・・・と思ったら、振り返り
「明日から、午前中か午後かランダムで、ここに来るよ。俺がいない時間は何してもらってもいいよ。ここにいる人達に相談して?」
そう言い残して、王宮へ戻っていった。
部屋に残された二人は、しばらく放心状態だったように思う。
俺は、すぐに我に返ったけれど(苦笑)
しばらく一人にした方がいいかなぁって思って、俺は部屋を出た。




