009
翌日
『おはよ』
「おはよ。よく寝れた?」
『うん』
実際には、寝れたような寝れなかったような・・・・感じだったが。
「なら良かった^^」
『今日は何する??』
基本的に、ここに来ても仕事をしているわけではない。
だから、時間はたっぷりある。。。。でも、自由には動けない。
「何が出来るか、周りを散策してみる?」
『そうだね~。だらだらするわけにもいかないしね。何か仕事みたいな感じなことが出来ればいいねぇ。一人でも出来る何かがあればいいな。』
最後は、誰にも聞かれたくはなかったから小声だった。
そう、今は彼がそばにいるが、ずっとそばにいてもらうわけにもいかない。
自分の世界でも、自立出来てると思えないが、ここでも頼り切るわけにはいかないのだ。
小声にはなっていたが、彼は感じ取っていた。
「聞いてみよっか。俺も何かしようかな。お小遣い稼ぎ(笑)」
『(笑)そうだね』
侍女さん達を探しに行こうと、部屋を出ようとした時、侍女さんが部屋にやってきた。
聞けば、お客様らしい・・・・。
『??お客様って、リュイ君?』
「はい^^ 他にも二人お連れ様がいらっしゃいます。ご準備できましたら、とのことでした。」
『他の2人って誰だろう・・・・。勉強教えてくれる人??』
誰かは教えてくれなかった・・・・。
用件だけ伝えると行ってしまった。
「(苦笑)行ってみるしかないね。大丈夫。俺もついていく」
『え~不安しかないんだけど(´・ω・`)』
「リュイが連れてくるんだから大丈夫だって」
★★
「お邪魔します。3人だけど、俺以外は誰が来たか言わないで呼んできてくれるかな」
そういって、彼女を呼んでもらった。
俺と宰相は、変装もせずそのままの姿だから誰が来たかは分かるだろう。
もう一人は・・・・。
しばらくするとお茶が運ばれてきて、彼女がもうすぐ来ると教えてくれた。
「ありがとう。彼女が来たら、しばらく誰も近寄らないようにしてくれるかな」
そういうと、部屋から誰もいなくなった。
周辺にいる気配も消えた。
「これで、大丈夫でしょう?」
「あぁ、助かる。」
そういって、変装を解いた。
とはいっても、完全な姿ではないが・・・・。
「念には念をいれるが、彼女が来てからの方が良いのか?」
宰相が尋ねる。
「そういう世界にいないから、気がつかないとは思うが、来てからお願いする」
雑談しながら待っていると、部屋の扉が叩く音がした。
リュイは、立ち上がると彼女を迎えに行く。
「いらっしゃい^^」
『リュイ君。おはよう。お仕事はいいの?』
「おはよう。午前中はいるよ。詳しくはまた話するね。一緒に来た人がいるから紹介する。」
部屋を占めると同時に、パチンと音がした。
『ん??』
何が気になるのか、キョロキョロしている。
「えっ?何?」
『?? 気のせいかな??』
俺は、彼女の背中を押して、何事もなかったように振舞い、二人が待っているところまで案内した。
ドアが閉まると同時に、宰相が結界を張ったのだ。
気がつかないはずなのだが・・・・もしかして、そういうの使えるとか??
『二人で来たけど、大丈夫?』
「もちろん。二人で来ると思ってたよ。彼にもちゃんと紹介する」
彼女を安心させるように、伝えると
『ありがとう。』
かつやは、何も言わずそばについている。
一応、彼にはあらかじめ伝えてはいるのだが、彼女には伝えてないみたい。
まぁ、伝えないでとは言ったものの本当に伝えなかったようだ。
「どうぞ」
『ありがとう』
案内された席に座り、目の前にいる二人を見て・・・・目を見開いていた。
『えっと・・・・あの・・・・』
「おちついて。大丈夫。」
彼女の隣に座った彼がなだめる。
『あ、うん。ごめんなさい』
「(もしかして、気がついた?)どうぞ。俺が入れたのは美味いか分からないけど(苦笑)」
二人にお茶を出すと
『ありがとう^^』
一口飲んで、少し落ち着いたようだ。
彼女からすれば、貴族のマナーは知らないのだ。
だから、特に何も言うつもりはない。
そんなに悪くはないと思う。
宰相は、ジーっと見ているが(苦笑)
『あ、えっと・・・・初めまして』
突然立ち上がって、挨拶をする。
「くーちゃん(苦笑)」
『ん?』
彼女を座らせると
「二人、紹介するな。左にいるのは、宰相のライル」
「ライルです。よろしく^^」
『よろしくお願いします』
と、握手をする。
「かつやです。よろしく」
彼も、挨拶をして握手をしていた。
「かっちゃんも初めて?」
「ちゃんと彼に会うのは初めてかな。遠くから見かけたことはあるんだけどね(苦笑)」
彼がそばにいると落ち着いているようだ。
『えっと、ライルさん。来ていただいたのは嬉しいんですけど、お仕事は・・・大丈夫ですか?』
「えぇ。今日は、午前中は予定をたまたま空いていたので^^」
何でもない風に装ってはいるが、正直なところ午前中が限界であろう。
『良かった』
「で、となりが・・・・」
『(苦笑)リュイ君。分かるよ。』
「えっ?」




