表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1/194

1

あれ、なんで私ここにいるんだっけ。

なんだかよくわからないけれど、身体が痛い。…お腹が空いてる?



ぼんやりしていた視点が急にはっきりしたように思い出した。

今からちょうど200年前に亡くなった魔女が前世だったと。

元は伯爵家の令嬢であったが、魔術の研究を重ね未婚のまま魔女として生きた。


あの頃、もう動きにくくなってしまった老婆の身体を嘆き、

これほどまで人生をかけて魔女の知識を得たというのに、

寿命で死んでしまったら無になることを恐れた。

ついでに、もう少しやりたいことをしておけばよかったと後悔した。


ちょっとくらい幸せになっても良かったんじゃないかなって。


だから、生まれ変わってもこの知識を持っていたい。

できれば…最初から幸せになるような家に生まれたい。


そう願って転生したはずだった。


なのに…どうしてこんな状況なのだろう。



ソフィアは七歳の誕生日を迎えたばかりの第一王女だ。

小さい手を見るとあかぎれだらけで、折れそうなほど細い。

周りを見渡すと、王女の部屋なのに狭いし家具が寝台しかない。

ドレスは陛下に会う時の一着だけ。

普段は使用人が置いていった私服をもらって着ている。


おかしい…陛下であるお祖父様の孫で、王太子であるお父様の唯一の子なのに。

この裕福なユーギニス王国の王宮なのに、私のいる西宮には使用人すら近寄らない。

私専属の侍女どころか、お世話をしてくれる使用人すらいない。

今自分が置かれている状況を一つ一つ確認し、結論を出す。


ここは腐っている

今すぐ王宮を飛び出したとしても生きていけるが、捜索されるとめんどくさい。

王女であるソフィアの魔力は登録されているだろうから、

外で暮らすにしても魔術を使う度に場所を特定されかねない。


ならば…出ていくにしても許可をもらってからにしよう。

このありえない状況を訴えた後も私を放置し、

なおかつ王宮から出てもいけないなどと言われたときには…


王宮ごと破壊して出ていこうかな。






評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ