言われたことをやる子です
「メンテか……この後どうしようかな」
ゲームログアウトすると携帯が鳴る。
『士燈さん、鍋のランチセットが二人からあるんだ。どうよ?』
『ちょうど暇になったから行くよ。場所は?』
友人からの誘いに乗り、士燈は外に出る。
空はすがすがしいぐらいに晴れていた。
「ふーん。メンテなんだ」
「そうなんだよ。がっつりやるつもりだったのに」
「そういうときもあるさ」
「どうせなら一緒にやろうぜ。もうじき正式サービスだし」
「突っ込んでいく人のフォローしろってか」
「道を切り開きに行くと言ってほしいな」
「物は言いようだな。もっと全体見ろよ」
「見てはいるつもりだよ」
「だから、もっとだよ。リーダーやるなりリーダーのサポートやってみたら?」
食事が終わり家に戻る士燈。
(リーダーか……)
ベッドに横になり、士燈は友人に言われたことを思い出す。
戦闘といえば前線に突っ込むだけ。支援はリーダーやスカウトがしてくれた。
それでうまくいっていたし、言われたことは確実にこなしている。
(攻撃なんて避ければ良いし)
士燈には運動神経も人並み以上はある。
戦闘は相手の攻撃を避け、自分の攻撃をあてる簡単な作業と、士燈は感じていた。
(リーダーか…やってみたくはあるけどね)
実際にどうやれば良いのかどう振舞えば良いのか、士燈は考え出す。
いわれた通りに動くのは部活もそうだし、ゲームでもそうだった。
(リーダーさんや先輩さんの動きや声のかけ方でも真似てみよう)
少し横になったあと、士燈はランニングに出かける。
(今日は自主練だし、とりあえず走っておくか)
士燈が準備運動をしてランニングや筋トレのあとストレッチをする。
「さて遊ぶか」
気がつけば夕方でメンテも終わっていた。
ログインしてメールにあった集合場所に行くとスカウトが誰かと会話していた。
「これから始めるって二人組を見つけたから、メンバーに入れようって思ってさ」
「皆さんはどんな職なんですか?」
よろしくお願いしますと挨拶を交わしたあと、新人の一人が聞いてきた。
「私はスカウトだよ。優雅に可憐に麗しく、回る姿は美しくってね」
「急所狙いだからな。オレはタンク。耐えて凌いで引き付ける。回復薬も兼ねてるぞ」
スカウトとリーダーが歌うように語りだし、士燈に視線を送る。
「え、俺も?」
新人二人が贈る期待の視線に、士燈はどう続こうかと頭を悩ませた。
「ファイターは武器攻撃が主体だから考えて動こうね」
次回までに考えておきますと、士燈は約束して、マニュアル通りに職を説明した。
この後の展開がこの路線で行くかバトル描写を入れていくか考え中です。
しばらく時間をくださいますようお願いします。