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母親の子宮で修行しまくってから出てきた俺、魔法の才能があると勘違いされたんだが……



異世界転生にトラックは付き物。

轢かれそうになる女の子か猫を助けて死に、間違った死だったとか、良い事をしたからとか言われて神様にチートを選ばせてもらえるまでがテンプレだ。

だから自分が異世界に転生するならトラックに轢かれて転生したかった。

まさかあんな事で死ぬとは……



〜思い返す事1時間前〜


「危ない!」


僕は轢かれそうになっている女子高生を見つけて、身を挺して庇った。

死ぬかと思ったが、トラックは直前で止まってくれた。最近は障害物を見つけると自動で止まる機能とかが付いているらしい。

冷や汗かいた…


「大丈夫ですか?どこかお怪我はありませんか?」


「は、はい…大丈夫です。あの助けていただき本当にありがとうございます!」


やけに低い声だった。

女にしてはではなく、男にしても低い声。

よくみると、僕が助けた女子高生だと思っていた人は、おじさんだった。

女子高生の格好をしたおじさん。

別に格好なんて個人の自由だ、性別や年齢によって左右される必要などない。

…無いのだが、


「うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」


おじさんを身を挺して守ろうとしたのだと分かり僕はショック死した。



………………………………

………………

……




次の瞬間、目が覚めると僕は白い空間にいた。

此処はどこだろうか?ふと周りを見渡すと白い空間の奥に老人が見える。

あ、これ知ってる。異世界転生の流れだ。

その老人は僕に近づいてきてこう言った。


「主が伊瀬 皆太郎で間違い無いか?」


「はいそうです。僕が伊瀬 皆太郎です。」


「うむ……実は君にチャンスを……」


「異世界転生ですね?分かります」


「……あ、うんまぁそうなんだけど…その前に」


「チートの選択と目的の説明、言語とか見た目についてですか?」


「あぁ……えっと、はい、その通りです。その前にわしが何者かー」


「あっ!神様、チートといえば選択肢の中から選びますか?それとも好きなのを作れたり?」


「もぉぉぉぉ!何で言っちゃうの!何で全部先に言っちゃうのさぁ!!!普通こういうのって神様のわしが、心を読んだりするものでしょぉ!何でそっちが心読んでるのさぁ!」


「ええ!だってそっちの方が手間省けるし……」


「もうそんなに行きたいなら行けばいいじゃん!好きに異世界なりなんなりいけば!?」


「ちょっと待って!?チートは?何かないの?」


「五月蝿いなぁ!そんだけ知ってるなら何でも出来るでしょ!さっさと行って、もう向こうに行って!」


「は、はぁ……」


すると、体が消え始める。

あ、本当に何も貰えずに異世界に行くんだ……


「じゃあ…またね?」


「もう来ないで!」


こうして僕は異世界に送られた。




………………………………

………………

……



息ができない。耳も聞こえず視界も見えない。

五感の中で唯一働いていそうなのは触覚だけだ。

水の中にいるみたいだ。

神様は転生するって言ってたけど……

ひょっとして転生って受精卵の状態から始まるの?

そうだ!この手のタイプの転生ならステータスボードとかあるはず……

ステータスよ、来い!




名前 no name

年齢 0歳

HP 1

MP 1


スキル

魔力解放


魔法

無し





頭の中にこんな数値が思い浮かぶ

おお……本当に出た。

と、テンプレっぽいセリフを言ってみたが、(心の中で)本当に出た、って感じだ。

ていうか初めから持ってるこのスキル、【魔力解放】ってなんだ?

説明求む!


すると、頭の中に声が響く


『魔力解放とは、魔力を消費するスキルです』



………え?それだけ。

魔力使ってなんか出来たりしないの?

まぁ、初めから持ってるスキルじゃこんなものか……

というか本当にチートなんてなさそうだ。

やる事もないし、試しに魔力を使ってみるか!


魔力解放を持っているおかげか、体内にある魔力が手にとるようにわかる。

1しかないけど。

それを体外に放出してみる。

……うん、放出しただけで特に何も無い。

強いて言えば少し寝たくなる程度。

赤子どころか受精卵の今、やる事もないし魔力を使って寝るか……


それから毎日、僕は魔力を使っては寝るを繰り返した。

数日程して、気まぐれにステータスを見てみる。

HPは3…MPは50……あれ?

いや、MPだけ増えすぎだろ、なんでこんなことに……

待てよ、体力と同じで魔力も使えば増えるのだとしたら?

ちょっと魔力を沢山使ってみるか……

試しに限界まで魔力を使ってもう一度ステータスを見ると魔力の絶対量が5増えていた。

いや、増えすぎだろ……何でこんなバカみたいな増え方してるんだ?

心当たりは……なくはない。

人間には第一次成長期と第二次成長期がある。

簡単に言えば身長が伸びやすく、大人っぽい体つきになるわけだが、この時期に筋トレとかしたら、大人になってから筋トレするよりも効果的だとかそんな話を聞いたな……

魔力が筋肉みたいに、使うと増えるのなら、魔力を受精卵の今消費したら、とんでもない成長を果たすのでは無いだろうか?



僕は魔力を使って、回復したらまた使ってを繰り返す。

魔力を何に使うのかは分からないけど、増やしておいて損は無いだろう。

多分アレだ。魔法とかそんな感じの奴だきっと。

ある程度使ったら魔力を見る。

245に増えていた。

どの程度からがすごいのか見当もつかない。

初めの245倍だから結構行ったと思うけど、なんせ受精卵でさえ1あったのだから、大人はもっとあるだろう。

やる事もないし、こんなパワーアップ方法は今の自分にしか出来ないのでやれるうちにやっておく。

1ヶ月ほどして(感覚)、ステータスを見てみる。

HPは5、MPは1125056だ。

アンバランスも良いところだな。

なんかもう充分な気がするけど、本当にやることが無いので一応続ける。

それからしばらく経って、僕は新たなるスキルを獲得した。

【魔力吸収】だ。

このスキルは空気中、あるいは水中から魔力を吸収して魔力を回復させることができる。

強そうに見えるが、このスキル普通は1秒に1しか魔力が回復しない。

なんせ吸収効率が悪すぎるのだ。

あまり役には立たないのだが、ここは僕が魔力を解放し続けた上に子宮の中という密閉空間。

魔力は逃げないから水中の魔力濃度がとんでもないことになる。

この状況では魔力が使った側から回復してくれる。

というわけで、魔力を使って回復してを繰り返し始めた。



………………………………

………………

……



3ヶ月が経った(感覚)。久しぶりにステータスを見てみる。

HPは10、MPは572445854453(5724億)

ちょっと何言ってるのか理解できない。魔力量5000億とか魔力尽きる事ないだろう……

いや、油断してはだめだ。もしかしたら大人にとっては普通くらいの魔力量かもしれない。

まだまだ増やさねば………



4ヶ月が過ぎた(感覚)。魔力は子宮の中で循環している。

受精卵の時よりかは増えにくくなったが、未だにとんでもない速度で増えている。

HPは20、MPは12874830652125221(1京)

1京超えちゃったよ。 

絶対こんな必要ないだろ。

でも、油断は禁物だ。もしかしたら3歳児の平均魔力量がこれくらいかもしれないからな。

まだまだ増やさねば。

そういえば、さっきステータスを見た時に、魔法とスキルが増えていた。

スキルは【魔力操作】だ。

説明を聞いた感じ、魔力解放と魔力吸収を混ぜて少し性能が上がった感じかな?

性能が上がったのは良いのだが、それよりも目玉は、解放と吸収を同時発動出来る点だろう。

今までは、解放した側から吸収をしていたが、魔力操作によって解放と吸収を同時進行出来る。

これで更に増加速度は上がるはずだ。

そんなわけで魔力を消費する。

目出せ1概!



…………………………

………………

……



半年(感覚)が経った。さてと…ステータスはどうなっているかな?




名前 no name

年齢 0歳

HP 25

MP 7458545845625439650415524732482154(約7溝)


スキル

魔力解放 魔力吸収 魔力操作 魔力可視化


魔力循環 魔力回復 魔力回復速度上昇


魔法

火属性魔法(弱)水属性魔法(弱)



おおおお!念願の属性魔法来た!弱とは書いてあるけど、使えるのと使えないのでは大きく違うよなぁ。

せっかくなので使いたいが、そんなことしたら母さんのお腹が破裂する。

産まれてからやるとしよう。




………………………………

………………

……


そろそろ10ヶ月ほど(感覚)経つ。僕が生まれるのはそろそろだろうか?

いつも通り魔力を使っては吸収で時間を潰していると一筋の光が見える。すると、突然押し出されるように光に引き寄せられた。

来た!出産だ!

頭が光に入ると窮屈で苦しくなってくる。

だんだん音も聞こえてきた。

外に出ると、眩し過ぎて手を開けられない。

今までくらい体内にいたからだ。


「おめでとうございます!元気な男の子です!」


僕は泣いた。赤ちゃんがよくオギャアオギャアと泣くけど、あんな感じに。

泣いていると何やら機会を当てられた。


「それでは魔力量の測定に入りますね。測定結果は………9999無量大数?」





なんか思いついたので書いてみました。

でも出オチしそうなので短編にしました。

「そこなんとかするのがお前の仕事だろ!」

と言う方……はい、その通りです。ごめんなさい。

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[気になる点] 数日後 :HPは3…MPは50……あれ? 一か月後:HPは2、MPは1125056だ。 半年が過ぎた(感覚) :MP1京 半年(感覚)が経った。:MP約7溝 一月後HPが減り、半年…
[良い点] テンポが良くて面白かったです!続きめちゃ気になる笑
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