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二ホンの知識チートは凄いぜ

「すごいな。そこらの革鎧とは違う!」


 リーアが喜んでるのも当然だろう。


 とうとう、ロックボアの革鎧が完成した。


「そりゃあそうだろ。鉄並の固さがあるからな。本来なら何種類もの革を重ねて強度と柔軟性を出すんだが、ロックボアの革なら両方を1枚で出せる。騎士のフルプレート並みだぞ」


 革職人がそう胸を張るのも当然だ。それだけの性能があるからこそ高価なんだからな。


 俺とリーアが受け取ったのは胴と籠手、膝当て。狩りで使うには十分な防具だ。コレを街で揃えると家が建つからな。


「でもさ、本当に貰って良いの?」


 革職人に聞くリーア。


「一頭分あるんだ。その鎧二組なんてのは端切れみたいなもんだ。その胴は後ろ脚には劣るが、肩部分の革だから、売ってもまともに値段付けられないシロモンだ」


 だろうとは思う。買い手はいくらでも居るだろうが、値段が分かりやしない。


「でもさ、なんで鉄みたいに硬い革を鎧に加工できるの?」


 俺も聞きたかった質問だ。企業秘密とか言われそうだが。


「そんなモノ、教えられる訳がねぇって言いたいが、革職人に扱えない革はねぇだろうな。革に合った熱の加え方や鋲の打ち方さえ習得すればだいたいの革を加工できるぜ」


 との事らしい。きっと、革職人ジョブとかあるんだろ。魔力でそのように出来るんだ、きっと。


「ところで、お前ら、弓は扱えるか?」


 革職人が弓ってのが謎だが、当然、扱える。


「扱えるけど、何?」


 俺がそう言うと、弓を奥から持って現れた。


「売りモンにならねぇ端切れを使って物語のドラゴン弓を真似てみたんだ。弓にロックボアの革を巻いてみた」


 などと言ってるが、硬くて柔軟。普通の弓よりもかなり引きが重くなってんじゃねぇ?


「ちょっとこれ、引けないんだけど!」


 さっそくリーアが顔を真っ赤にしてもビクとも動かないらしい。


「やり過ぎか、やっぱり」


 革職人もガッカリしている。


「リーア、弓を引くイメージをしながら引いてみ?」


 ある意味あたり前のことを俺は言ってみた。当然、リーアもハァ?な訳だが。


 そして、俺がまずは実践する。


「リリーサーか弓掛が欲しいな」


 ふと、そう言ってしまう。


 二ホンの知識だ。


 随分重いが、弓を引くイメージをしっかり行いながら引くと結構軽く引けてしまった。


「うわ、ガエルすご!」


 リーアがそう驚きながら、負けてたまるかと集中して弓を引くと引けてしまった。


「ひけたっ、あ」


 壊れはしなかったが、急に放すと危ない。バンッと怪しい音を立てる弓。


 革職人もその姿には驚いた様子だが。


「引けるのか?それが・・・・・・」


 まさか、ジョーク商品って訳じゃないよな。


「もしかして、ふつうは引けないってジョーク商品だったり?」


 勇者リーアが聞いてしまった。


「おう、そのつもりだったんだが、商品化出来るかもな」


 等と笑っているが、やめた方が良いと思うぞ。普通に引ける弓じゃない。人を選ぶと思うんだが。


 そんな訳で、弓も貰った俺たち。


 この装備だけで明らかに商人の屋敷が建つよなぁ~、こんな僻地に屋敷なんか建てても仕方ないが。


「よし、狩りに行こう!二人で!!」


 リーアは調子よくそう言う。


「狩りに行く日じゃないだろ」


 とはいっても、弓を使ってみたい気はする。


「近場でちょっと鳥か小物狙うだけだって!」


 まあ、それだけならと頷いた。


 

 近くで鳥か小物。


 そのはずだったが調子に乗って少し森の奥までやって来た。


「サーベルラビット居ないかな?」


 リーアがお気楽にそんな事を言っているが、普通に会いたくない魔獣である。


 できれば、アホで逃げ足も遅く、時折炎を吐くだけのマギアフーンにしてもらいたい。あの胸肉の美味さは格別なんだ。この弓ならいける。


 当たりを探ってみたが、あまり獣が居ない。


 ちょっと失敗したかなと思っていると、白い毛玉が跳ねているのが見えた。


「サーベルラビットだ」


 小声でリーアに場所を指し示す。


 リーアは頷いて矢を番えた。


 綺麗に弓を引いて、パンという音と共に矢が放たれる。


「ハァ?」


 なあ、弓から放たれたやって、見えるよな?見えないとおかしいよな?


「あ~あ、外しちゃったかな」


 俺には矢が見えなかった。しかし、リーアには分かったらしく、撃ち洩らしたらしい。


「おい、それ、こっち来ないよな」


 俺が問いかけるが、白い物体は見えない。


 恐る恐る近づいていくと、毛玉が見えて来るのだが、動いてる様子がない。ちなみに、矢は木に突き立っていた。


「何やってんだ?アイツ」


 どうなってるのか分からないので、一応、俺も矢を撃ち込んでみた。


「ガエル。この距離で外しちゃうとか、プッ」


 リーアが冗談を言うが、俺にはそれに返す言葉が無い。いや、突き抜けたぞ、今。地面に刺さる矢をまじまじと凝視した。


 どうにも動かない毛玉に近づいてみると、まあ予想通りに事切れている。


「コレ、リーアの矢が貫通した跡だな。頭のコレは俺だ」


 そう言うと、リーアは言葉を失う。


 さっそくサーベルラビットを解体して、持ち帰る事にした。


 ゆっくり帰っているとマギアフーンが飛んできたので一撃で撃墜してやった。


「ねえ、この弓。ちょっと怖くない?」


 リーアの言いたいことは分かる。あまりに威力が高すぎるんだ。この弓。


 

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