働くってなんですか
憂鬱な日々がまた始まった。
「就活やってる?」
「SPI勉強してる?」
「そろそろ何かやらないといけないよね?」
矢継ぎ早に親友の浩次が質問してくる。
「俺たちは、良い大学入ってんだからまだ始めなくて大丈夫っしょ。」
難関大学のT京大学法学部の俺ら。
就活なんて余裕だろうと考えていた。
大学の講義もいつも以上にうわの空で聞いていた。
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帰路につき、家で夕飯を食べていると、
ニュースを見ている父親から、
「就職先どうすんだ。」
「まだ何にも考えてない。」
「そろそろ考えておけよ。もう大学3年生だろ。
時間が過ぎるのなんてあっという間だからな。」
「うん・・・。分かってるよ。」
夕飯を食べ終え、自分の部屋に戻る。
何を考えれば良いんだよ
とムシャクシャした気持ちになっている。
「あぁイライラする・・・。
就活ってなんだよ。やりたいことなんてなんもないわ。」
徐に、パソコンを起動させ、「就活」と検索をしてみる。
「いっぱいサイト出てくるな・・・。どれ見れば良いんだよ。」
「インターンシップって何?」
初めて聞いた言葉「インターンシップ」を調べまくった。
「特定の職の経験を積むために、企業や組織において労働に従事している期間。
いろんな企業がインターンシップ取り組んでるんだな。
インターンシップやってないと選考受けらんねぇのかよ。」
就活に関して全く関心がなかった俺は、少し後悔した。
周りはこんなことを当たり前に知っていたのかと。
ヤバいヤバイヤバイ・・・
俺は就活で大分遅れを取っているのか
と焦る自分を安心させるためにLINEした
「浩次、インターンってやつ行ったことある?」
「行ってはないけど、エントリーはしてるよ。」
マジかと意気消沈。安心できなかった。
「エントリーって何するの?」
「どこの会社エントリーしたの?」
「サイト何見ているの?」
立場逆転して矢継ぎ早に質問する、俺。
いろいろ教えてくれる優しい友を尊く思う、俺。
浩次は何でも答えてくれた。
「今度、一緒に説明会行く?」
と誘ってくれた浩次を神だと拝めた。
「行く、行く。いつ。どこ行けばいい?何の会社?」
「明日20時に渋谷ね。てか、大学から一緒に行く?
スポーツ系の会社だから、興味あるでしょ?
サイトのURL送るね。」
「ありがと。マジ感謝。大学から一緒に行こ。」
神に感謝を述べながら、その会社のサイトを開いてみた。
【登場人物】
岡村優 男性 T京大学法学部3年
鈴木浩次 男性 T京大学法学部3年
岡村晋哉 男性 岡村優の父 市役所勤務