始まりはいつも突然に
異世界。それは最近では小説やゲーム、漫画などの多くのジャンルでひとつの世界観のテーマとして使われている。中高生などの思春期真っ只中にとってはとても興味を引く内容で、大人でもいわゆる”オタク”として分類される人々にとっては1度は経験してみたいものである。橘廻斗もそのうちの一人で、異世界物の作品は殆ど読破したと言っても過言ではなかった。だが、そんなマンネリ化してきたつまらない日常も今日で終わりである。目の前に広がる光景に廻斗は胸を踊らせながらゆっくりと水晶に手をかざした。
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時は少し前に戻り、教室。朝のショートホームルームが始まるにあたり、朝練を終えたクラスメイト達が続々と教室に入ってくる。教室は少しづつクラスメイト達の喧騒に包まれていくが、そんな事は気にもせず廻斗は小説を読むのに耽っていた。
「アイツ、まーたオタクみたいな本読んでるぜ」
「ホント、キモイよなー」
別にいじめられている訳では無いが、田舎から都会へと引っ越してきたばかりの俺には友達もいなく、俺の趣味を理解してくれる人とも出会わなかったためクラスにいるガラの悪い奴らにはちょくちょくいじられているのだ。読書していても自分に対する話だけはやけに鮮明に聞こえるのだ。
廻斗はそんな事を思いながらも本を読み進める。今日もまた、つまらない日常の始まりだと思いつつ廻斗は本を閉じ入ってきた先生に礼をする。
すると突然、教室全体が淡く光出した。
何事だと思い教室を見回すと、床に幾何学模様、つまり魔法陣のようなものが浮かび上がっていた。
突然の出来事に先生もクラスメイトたちも動揺を隠しきれず、教室から出ようとする者もいるがどうやら扉は開かないようになっているらしい。少しづつ魔法陣から溢れ出す光が強くなり目の前が真っ白になった。
ついに来た異世界に廻斗は胸を高鳴らせ、期待した。
が、これが彼の悲劇になるなんて誰にも分からなかった………。
モチベーションに繋がるので
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