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ニュートンの初装備

 アインシュタインとシュレディンガーの力を持つ2人を戦友的な立場にしたフローラルは今川に潜っている。

 潜ってクエストを達成しに来たが、めんどくさくなって地上に出た。


「どうしたんですか?」


「面倒だから終わらせた」


 濡れた服を絞りながらそう言うと、フローラルの背後で魚のモンスターが打ち上げられて、それを中心に石が撃ち抜いて蜂の巣にした。


「〈引力点操作〉引力を起こす点を作り出すスキルだよ。これに対抗するのは難しい」


 そう言いながら服を絞るのをやめて落ちてくる鱗を回収した。

 それをいい笑みを浮かべてテスタに見せた。


「うん。それがクエストのやつですね。やっぱりフローラルは強いですね」


 テスタは水も滴るいい女のフローラルにそう言って微笑みかけた。

 その顔を見てフローラルは照れ臭そうにした。


「さぁ!さっさとこれを受付嬢に見せて報酬もらって私の装備を買うよ!」


「そうですね。そうしたら今日はダンジョンを探しにいきましょう」


 そういう話になってフローラルはテスタを引き連れて街に戻って行った。

 まずは報酬を受け取って装備を用意するために。





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「はい、受け取りました。クエスト達成ですので報酬を受け取ってください。またのお越しをお待ちしております」


 礼儀正しい受付嬢から報酬を受け取って中身を確認した。


「合計1万ゴールドですか。まぁ、これなら買えないこともないです。では、僕のよく行っている店に案内しましょう」


 そう言ってくれたテスタに連れられてフローラルは防具屋に足を踏み入れた。

 そこに入ると銀のストレートヘアがきれいな少女が刀を打っていた。


「また妖刀を打ってるんですか?飽きませんね」


「《村正》の時雨、防具も作るがメインは刀です。その自信作を妖刀と呼ぶとはいい度胸です」


 テスタの一言にキレた彼女は最高傑作の刀を抜いて向けた。

 その間に作成途中の刃はまた熱するために火に入れた。

 入れたところで刀をテスタに向けながら立ち上がった。


「私の打つ刀も名刀村正である。いくらテスタでもこの刀に斬られれば失せるでしょ」


「待て待て待て!あんた落ち着きなさいな!」


 今にも時雨がテスタに斬りかかりそうだったのでフローラルが間に入って喧嘩を止めに入った。

 その姿を見て時雨は誰?という混乱した顔になった。


「あっ、私はテスタのパーティーのリーダーだ。《ニュートン》のフローラルって言う」


 その自己紹介を聞くと時雨はゾッとした。

 そして、刀を今度はフローラルに向けて一歩引いた。


「あのモートがライバルに決めた奴でしたか。これは困りました。装備を売るのを断っても重力で負けそうです」


 そう言ってるのに目は警戒が高い様子だ。

 その目にフローラルは興奮して手を出したくなった。

 それをテスタが前に出て止めた。


「時雨、さっきのことは謝るからフローラルに合う装備を売って欲しいんだけど。そうしてくれたらしばらくは来ませんから」


 テスタのその言葉に利益があると考えて時雨はため息を吐きつつ装備を用意した。

 生産系のプレイヤーだと《村正》のような力を持っていればそれに合ったものを作れる。


「その言葉を信じてこれを譲りましょう。代金はいりません。店に柄の悪い人が来ないのがいいので」


 そう言ってフローラルに白雪の一色と悪魔の白衣を差し出した。

 それを受け取ったフローラルは代金のことでテスタにアイコンタクトをした。

 それでテスタは別にいいと言うので静かに店を後にした。

 残った時雨は独り言を呟いた。


「常連を倒すほどの初心者とか来ない方がいいんですけどね。でも、重力操作が味方なら心強い。あの敵に入ってなければ期待ですよ」


 そう言ってからまた刀を打ちに戻った。

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